日本初、純木造の11階建て高層耐火建築物。大林組

大林組は日本初となる、柱、梁、床、壁といった構造部材すべてを木材とした、高層純木造耐火建築物の建設に着手。大林組グループの研修施設を建設する。階数は、地上11階、地下1階。

純木造の研修施設 イメージ

高層純木造耐火建築物の建設に当たって、大林組の耐火木造技術「オメガウッド(耐火)」を構造部材として適用。この技術は、燃え止まり層(耐火層)として石膏ボード、燃えしろ層として表面に木材を設けることで、2時間耐火木造をローコストに実現する技術。特に1階柱には、日本初となるという3時間耐火仕様を採用している。

オメガウッド(耐火)

鉄筋コンクリート造と同様のスパンで中高層化するための課題として、梁・柱接合部を高剛性化、高耐力化しなければならなかったとする。この課題を解決するとともに、現場での施工の容易性の確保した上で純木造を実現するため、柱と梁を一体化する「金物を使わない剛接合仕口ユニット」を開発。

金物を使用しない剛接合仕口ユニット

高剛性、高耐性、高靭性を併せ持ち、さらにあらかじめ工場でユニット化することにより高い施工性も実現する工法としている。今回建設する施設では、金物を使わない剛接合仕口ユニットに免震構造を組み合わせることによる高耐震性も備えるという。

大林組は、木質化された空間がもたらすリラクゼーション効果や調湿効果に加え、風、光、香りなど自然を取り込むデザインや技術が、利用者の健康と快適性を高めることを期待。研修効果の向上を図るとともに、自社開発したスマートビルマネジメントシステムと利用者のバイタルデータとを関連付け、バイタルデータに基づく研修・宿泊環境の提供を計画する。

施工場所は神奈川県横浜市中区弁天通二丁目22番、23番。敷地面積は563.28m2、延床面積は3,620m2。