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ヤフオク!、スパコン+新AIで偽物出品の認知精度を3.1倍に

ヤフーは、ネットオークション「ヤフオク!」の偽物出品対策を強化し、従来の機械学習に加えて、スーパーコンピュータを活用したディープラーニングを11月より導入した。これにより偽物出品の検知精度が約3.1倍向上すると見込まれ、「偽物の出品物が並ばない安全安心な売り場を目指す」という。

ヤフオク!では、偽物出品対策を重点課題の一つとしている。2005年から機械学習を用いた不正出品検知システムを導入していたほか、ユーザーからの通報機能も活用した人手による「24時間365日パトロール」、知的財産権の権利者との連携制度「知的財産権保護プログラム」などを運用してきた。

新たに、1,000万件以上の膨大な取引データと、独自に開発したディープラーニング特化型スパコン「kukai」を活用。検知精度の大幅な向上が見込めるディープラーニングを用いた「偽物出品検知AI」を開発、導入した。

偽物出品検知AIは、出品完了後数秒以内に、その出品物が偽物である確率を判定。偽物である確率が高いと判定した場合、優先的に人手による削除検討に移る。そのため偽物の削除率が上昇し、削除までの時間も短縮されるという。

実際の出品情報50万件を用いて、偽物出品検知AIによる判定を行なったところ、従来の機械学習を用いた不正出品検知システムと比較して、検知精度が約3.1倍向上した。また、従来のGPUサーバーでは約110時間かかる想定の新たな検知モデル構築が、スパコン「kukai」では約70倍の処理速度となり、約1時間半で完了。検知モデルの更新頻度を向上できるため、新たなパターンの偽物出品が発生しても、迅速に対策を進められるという。