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ブルーなPixel 10aとスマホを「個性」で選ぶ時代

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グーグルのスマートフォン「Pixel 10a」が4月14日から発売されます。価格と性能のバランスが良く、日本でも人気のPixel Aシリーズですが、基本的に半年前に発売されるPixel 10シリーズをよりお求めやすくしたモデルとなるため、機能面ではそれほど驚かされることはありません。

さらに、Pixel 10a自体は2月に海外発表済み。弊誌でも台湾の取材レポートを掲載しているので、さほど新情報に期待せずに取材に向かいましたが、いい意味で期待を裏切られたというか、非常に面白い商品を体験できました。

その理由は、ヘラルボニーとコラボした「Isai Blue」です。鮮やかな「ブルー」が印象的な日本限定モデルです。

ヘラルボニー(HERALBONY)は、知的障害などを持つ作家とライセンス契約を結び、アートデータを活用した事業を展開しています。作家のカラフルな作風を活かしたデザインで、トヨタやJALなど大手企業とのコラボレーションも多数のため、グーグルとのコラボも納得感はありました。そのうえで、実機を触ってみると、非常に細部までこだわりが感じられました。

今回のPixel 10aのコラボレーションは、製品の企画段階から協力し、新色Isai Blueの採用のほか、パッケージやバンパー、ステッカー、壁紙などのデザインなど、かなり踏み込んだものとなっています。

ブルーのカラーも印象的ですが、特に良かったのが「壁紙」のデザインと、壁紙にフィットするようアレンジされた「アイコン」です。

壁紙にはヘラルボニーが協力する水上詩楽氏、工藤みどり氏、伊賀敢男留氏の作品を採用しています。壁紙もかなり特徴的なデザインですが、3パターンのいずれも格好良く、スマホが“自分だけのもの”に感じます。

加えて、アイコンも壁紙に馴染むように専用のデザインとなっており、壁紙とあわせて“奥行き感”が感じられるような、不思議な感覚を覚えます。Google アプリ以外の多くのアプリでも壁紙にあわせたデザインに変換できるようになっています。アプリのデザインによってはなじまない場合もありそうですが、細部にこだわりが感じられるのが好印象でした。

注目したいのは、アイコンの作成にはAIが使われているという点です。

コラボでは、作家の画風や特徴的な色を、「青、ピンク、黄色の長い筆のタッチといくつかの点」といったように言葉で表現したプロンプトを作成。このプロンプトをAIに入力してデザインを生成し、壁紙とアイコンの最適な組み合わせを選択したとのこと。

作品を学習するのではなく、プロンプトを作りながら試行錯誤を重ねたそうですが、AIを活用しているにも関わらず、結果として「人間味」が感じられます。

付属のステッカーやパッケージを含め、「作り手」の存在が感じられる。Isai Blueを触りながらそんな感覚を覚えました。カメラやAIなどの機能ではなく、「これを使いたい」「身につけたい」といった感覚で、そうした意味ではガジェットやスマートフォンよりもファッションやアクセサリーに近いと言えるかもしれません。

個人的にはヘッドフォンやイヤフォンでも、音質や機能よりもデザインやフィット感を重視するようになってきました。スマホもそうなっていくかもしれない、などと感じました。

Pixel 10a(Isai Blue)のストレージ容量は256GBのみで、価格は94,900円。筆者はPixel 10なのでさすがに買い替えは厳しい。ということで、「壁紙とアイコンだけでも売って欲しい」とお願いしてみましたが、あくまでPixel 10a Isai Blue購入者限定とのことでした。