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おトクな「マイナポイント」が9月スタート! マイナンバーカードを取得しよう

「マイナンバーカード」の交付が2016年1月にスタートしてから、約4年半が経過しました。マイナンバーカードは、顔写真付きの本人確認書類としての利用や、オンラインでの確定申告(e-Tax)など、たった1枚でさまざまな用途に使えるのが魅力ですが、今もなお利便性の拡充が図られており、2021年3月からは健康保険証としても使えるようになる予定です。

マイナンバーカードの取得はあくまでも任意ですが、申請しようかお悩み中の方にうれしい施策が9月にも本格始動します。その名も「マイナポイント」事業。所定の手続をすると1人当たり上限5,000円分のポイントが付与されるのですが、そのためにはマイナンバーカードが必要になります。

マイナポイントの付与は9月以降開始されますが、実は今のうちからマイナンバーカードの申請手続きを済ませておくのがオススメ。それは一体なぜなのか? 詳しく解説していきます。

そもそも「マイナンバーカード」とは?

マイナンバーカードとはズバリ「マイナンバー(12桁の番号)が記載された、顔写真やICチップ付きのプラスチック製のカード」のことです。大きさや質感はクレジットカードとほぼ同じで、顔写真付きであることからも分かるように見た目は運転免許証にソックリ。キャッシュカードやポイントカードと同様、お財布に入れて携行することができます。

「マイナンバーカード」の表面。顔写真と氏名、住所、生年月日、性別などが記載されており、本人確認書類として使えます
こちらは裏面。12桁の番号(マイナンバー)が記載されています

では、なんのために使うカードなのか? これを⼀⾔で説明するのが難しいくらい、
「多機能」なのがマイナンバーカードの特徴です(詳しくは後述します)。たった1枚のマイナンバーカードに、普段の⽣活にはもちろん、多様な行政サービスを受ける上で便利な機能が集約されています。

最初に、マイナンバーカード最⼤のメリットを挙げるとするなら、「本人確認書類として使える」という点になるでしょう。

携帯電話を契約したりする際には本人確認書類が⽋かせません。⼀般的には、運転免許証やパスポートが用いられるでしょうが、どちらも皆100%持っているとは限りません。車の運転や海外旅行に興味が無い⽅が、本人確認のためだけにそれらを取得するのも、ナンセンスな話です。

その点、マイナンバーカードの取得はなんといっても無料。申請⽅法はいくつかありますが、スマートフォンを使って申請する場合、オンラインで⼿続し、交付場所 (住⺠票のある市区町村窓⼝など)に⼀度足を運ぶだけで取得できます。ちょっと⼤げさな表現になりますが「日本で今もっとも親しみやすい本人確認書類」といっても、あながち間違いではないでしょう。

もしかすると「マイナンバー関連だったら何かもうカードが届いているよ」という⽅もいるかもしれませんが、ちょっとお待ちを。そのカードは紙製で、顔写真が入っていないのではないでしょうか?

そのカードは「通知カード」と呼ばれるもので、マイナンバーカードとは似て⾮なるもの。税などの⼿続に必要なマイナンバーを確認するための書類にはなりますが、これ1枚では本人確認書類としては使えません。原則として「本人」が市区町村窓⼝に行って、所定の⼿続を行なうことではじめて、“マイナンバーカード”を取得できます。この点はお間違えなきよう。なお、通知カードは、5月25日をもって新規発行が廃⽌されました。今後、券⾯事項に変更が⽣じた際には、通知カードは使えなくなりますので、やはり「マイナンバーカード」があると便利です。

マイナンバーカードのメリット

ここからはマイナンバーカードの“多機能っぷり”を順に見ていきましょう。本人確認書類としての使用以外にも、とにかく多くの用途に使えます。

住民票の写し・印鑑登録証明書などをコンビニで即時取得できる

⼀⼤イベントの際には、市区町村窓⼝で発行される書類が往々にして必要です。例えば⾃動車の購入時なら印鑑登録証明書、遺産の相続⼿続には住⺠票の写しや戸籍謄本といった具合。これらの書類を市区町村窓⼝で入⼿しようとすると、平日9時から17時に足を運ばねばならず、都合がつかないこともあります。

ただ、マイナンバーカードがあれば、その⼿間が⼤きく軽減されます。最寄りのコンビニに設置されているマルチコピー機のうち、「コンビニ交付サービス」に対応しているものであれば、その場で住⺠票の写し・印鑑登録証明書・各種税証明書・戸籍謄本(全部事項証明書)などの書類を入⼿できるのです。後日郵便などで届く訳ではなく、“その場”で取得できます。発行元や書類の種類にもよりますが、毎日6 時半から23時まで(年末年始を除く)取得できるのが⼀般的です。

※市区町村によってサービス内容が異なります。コンビニ交付サービスを利用できる市区町村や取得できる各種証明書の確認はこちら

オンライン確定申告(e-Tax)に使える

マイナンバーカードは、年に⼀度の確定申告にも⽋かせない存在になってきました。例えば病気入院などで医療費がかさんだ場合、条件を満たせば毎年2~3月に確定申告で税の⼀部が還付される可能性があります。住宅ローンを組んでいる⽅も、やはり確定申告を行うことになるでしょう。

従来であれば、税務署で配布されている専用用紙などに金額などを記入した上で、郵便で送ったり、あるいは税務署へ持参するという⽅法がポピュラーでした。とはいえそこは情報化社会。インターネットでの確定申告も始まっています。それがe-Taxです。

e-Taxの利用には、パソコンと専用のICカードリーダライタが必須でしたが、この状況にも⼤きな変化が。2020年1月からは、「マイナンバーカード」と「マイナンバーカード読取対応のスマートフォン」をお持ちの⽅は、スマートフォンから、より簡単に確定申告ができるようになりました。

e-Taxには、⼿書き不要、郵便切⼿不要、還付の⾼速化など、メリットいっぱい。税の仕組みを学ぶにも最適ですし、機会があればぜひ利用することをお勧めします。

各種行政サービスの手続もオンラインで

「マイナポータル」という政府が運営するWebサイトでは、子育てや介護といった行政関連サービスについて調べたり、あるいは必要な⼿続や申請までをも直接行える総合サイトとなっています。新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を受けて開始された、特別定額給付金のオンライン申請もこの「マイナポータル」を通じて行えます。北海道から沖縄まで、どの地域にお住まいかは関係なく、マイナンバーカードをお持ちの方は「マイナポータル」から申請を行なうことができます。

※オンライン申請の受付時期は市区町村によって異なります

「マイナポータル」でさまざまな行政手続が行なえます
2021年3月(予定)からは健康保険証としての利用もスタート

マイナンバーカードやマイナポータルの機能はまさに拡充中。今後もさまざまな機能の追加が予定されています。中でも注⽬されるのが、2021年3月から開始される予定の「マイナンバーカードの健康保険証利用」。運用開始後はマイナンバーカード⾃体を健康保険証としても利用できる予定です(マイナポイントの申込時に、健康保険証の利用登録もできます)。

これに付随する形で、医療費控除に必要な金額の計算が⾃動化されたり、薬剤情報や特定健診情報などもマイナポータルで確認できるようになったり、細かい部分での利便向上も⾒込まれます。

マイナンバーカードの普及は、効率的かつ公平な行政サービスの構築に不可⽋だと政府は考えており、そのためにも、マイナンバーカードそのものの利便性をさらに向上させるべく動いています。

マイナンバーカードの取得には概ね1カ月かかる

では、マイナンバーカードを取得するための⼿続について確認しておきましょう。申請⽅法は「スマートフォン」や「パソコン」、「まちなかの証明用写真機」、「郵便」の4種類から選べます。

簡単なのはスマートフォンを使う⽅法です。マイナンバーカードの申請には、「個人番号通知書」または、郵送された通知カードの下に付いている「個人番号カード交付申請書」が必要です。記載されているQRコードをスマートフォンで読み取り、申請用Webサイトにアクセスしてメールアドレスを登録。あとは画⾯の指⽰通りに必要事項を入力したり、撮影した顔写真を登録すればOKです。交付申請後、概ね1カ月をめどに、お住まいの市区町村から「交付通知書」が届くので、「交付通知書」に記載されている持ち物と交付場所を確認し、窓⼝に足を運びましょう。

「マイナンバーカード」総合サイト。取得にまつわる疑問点が確認できるほか、申請手続自体もこちらから行なえます

交付窓⼝でも若⼲の⼿続が必要になります。特に事前準備しておきたいのがパスワードの設定です。数字4桁のパスワードを最低でも1つ、英数字混在の6⽂字以上16⽂字以下のパスワードを1つ決めておきましょう。

数字4桁のパスワードは、前述のコンビニ交付サービスや「マイナポイント予約」の際などに使いますが、不正利用を防⽌するために、⼀定回数以上間違えるとロックがかかる仕組みです。ロックの解除は再度市区町村の窓⼝で⼿続しなければなりませんし、パスワードは⾮常に重要なものなので、セキュリティー上の注意を払いつつ、⽂字列のメモなどを保管しておくといいでしょう。

さて、メリット盛りだくさんのマイナンバーカードですが、なんとなく申請を先延ばしし続けている⽅も多いでしょう。しかし、実は今こそ絶好のタイミングなのです。なぜなら……マイナンバーカードを取得し、所定の⼿続をするとキャッシュレス決済サービスで使用できる上限5,000円分のポイントが付与される施策がスタートするからです!

「マイナポイント」が9月以降に付与開始! マイナポイントの予約はすでにスタート

マイナンバーカードの普及促進や消費活性化を⽬的にした「マイナポイント」事業ですが、9月以降ポイントの付与がスタートします。報道でもすでに話題になっていますが、「付与率25%、1人当たり上限5,000円分のポイント」が付与されます。

「マイナポイント」のロゴ

もう少し条件を詳しく⾒ていきましょう。⼤前提となるのが、「マイナンバーカード」を取得していることですが、「マイナポイントの予約(マイキーIDの設定)」と「マイナポイントの申込み(キャッシュレス決済サービスの選択)」の⼿続を完了した人が、ひも付けした電子マネーやクレジットカードで決済したり、あるいはプリペイド分のチャージを行なうことに対し、利用金額に応じてポイントが付与されるという仕組みです。

いわゆる“プレミアム”の付与率は25%。具体的には電子マネーを2万円分チャージしたり、クレジットカードで2万円分のお買い物をすると、上限5,000円分のポイントが付与されます。

マイナポイント事業で付与されるポイントは、選択したキャッシュレス決済サービスに付与されます。何か新しいポイント制度が追加導入されるわけではないので、今まで通りシンプルに使うことができます。

マイナポイントへ登録しているキャッシュレス決済サービスは、6月24日時点で約120種類。話題のQRコード決済サービスのほか、電子マネー、クレジットカードの大手事業者が軒並み参画しています。使いたいポイントのキャッシュレス決済サービスを選ぶことになります。

なお、付与されたポイントの有効期限は決済事業者により異なります。

「マイナポイント」のWebサイトからも詳細が確認できます。対応予定のキャッシュレス決済サービス一覧も掲載されています

「マイナポイントの申込み」は7月以降、「マイナポイントの付与・使用」がスタートするのは9月以降ですが、マイナンバーカードをすでにお持ちの⽅は「マイナポイントの予約」が行えます。「マイナポイントの予約」をすることで、マイキーIDが設定されることになります。マイナンバーカードをすでにお持ちの⽅は、以下の⼿順で予約をしてみましょう。

マイナポイント事業概要
※マイナポイントの予約者数が予算の上限に達した場合には、マイナポイントの予約を締め切る可能性があります

マイナポイントの予約は、やはりマイナポイントアプリ対応スマートフォンを使うのが⼀番簡単です。スマートフォンに「マイナポイント」のスマホアプリをインストールし、マイナンバーカードを読み取ります。数字4桁のパスワード(暗証番号)の入力が完了すれば、マイキーIDが設定されマイナポイントの予約完了となります。iPhoneの場合、数字4桁のパスワード(暗証番号)を入力してからマイナンバーカードを読み取るという順序になります。

7月以降には次のステップとして、「マイナポイントの申込み」が開始します。マイナポイント事業に登録されているお好きなキャッシュレス決済サービスの中から1つを選択できるようになります。そしていよいよ9月以降、選択したキャッシュレス決済サービスでお買い物またはチャージをすると、決済額に応じてポイントが付与されます。

なお、マイナポイントの予約・申込は、市区町村や⺠間のマイナポイント⼿続スポットでも可能です。マイナポイント⼿続スポットについては、以下をご参照ください。

※マイナポイント手続スポット検索はこちら(6月30日時点)

ここからは、マイキーIDの発行方法を写真でご紹介。まずは、このように「マイナポイント」アプリを立ち上げます。そして「マイナポイントの予約」をタップ
この画面になったら、スマートフォンのICカードリーダー(一般的には本体背面側にタッチ)
パスワード入力を求められるので、ここでは数字4桁の「利用者証明用電子証明書暗証番号」を入力。マイナンバーカードには全部で4種類の暗証番号・パスワードがあるので、間違えないように! また、入力中もマイナンバーカードはそのまま動かさないこと
この画面にきたら、マイナンバーカードを外してもOK。「発行」をタップすれば作業完了です

おトクなマイナポイントを獲得する準備をしよう。マイナンバーカードを取得するなら今

マイナポイントを語る上でぜひ覚えておきたいのが、「マイナンバーカードはお買い物の際には使わない」という点です。お買い物の際にマイナンバーカードを店頭で提⽰する必要はなく、普段から使い慣れたキャッシュレス決済サービスを選択し、あとはいつも通りお買い物するだけ。マイナンバーカードとキャッシュレス決済サービスをひも付けしたからといって、国がお買い物履歴を収集、保有することはできません。

またマイナポイントの付与は、「1人当たり上限5,000円分」という点も魅力です。夫婦2人ならそれぞれがマイナンバーカードを取得し、所定の⼿続をすれば、1 万円分のポイント、4人家族であれば1世帯2万円分のポイントにもなります。

お出掛け、お食事などのプチぜいたくを楽しむのもよさそうです。

※選択できるキャッシュレス決済サービスは1人につき1つで、ポイントを合算することはできません。

忘れてはいけないのはマイナンバーカードの準備。マイナンバーカードを申請するには、この6~7月が絶好のタイミングです。マイナンバーカードの申請から取得まで概ね1カ月かかることを考えると、早めに申請を行って9月以降のポイント付与に備えましょう。

また、受け取りに行く際は、新型コロナウイルス感染症の感染拡⼤防⽌の観点から、地域の状況に応じて、適切な時期に受け取りに行くことをおすすめします。詳細はお住まいの市区町村のホームページをご覧ください。

マイナンバーカードは、政府が普及を推進し、利便性についても着実な向上が図られています。マイナポイントを契機に、ぜひマイナンバーカードの取得について、考えてみてください。

※掲載しているデータは6月30日時点のものです