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マイナポータルからパスポートを新規申請したら30分で終わった
2025年4月4日 08:40
パスポートのオンライン申請サービスは、2023年から一部自治体で先行導入され、徐々に対象を拡大。2025年3月24日からは、新規申請にも対応し、全国で本格運用が始まりました。今回は、この仕組みを実際に使って、パスポートを新規申請してみました。
申請が自宅で30分で終わる
従来、パスポートの新規取得には、パスポートセンターや市役所などを訪れ、申請書の記入や本人確認書類の提出、証明写真の準備といった手続きが必要でした。こうした申請の前準備だけでも、半日ほど時間がかかることもありました。
しかし、マイナンバーカードを使ったオンライン申請では、これらの手続きがスマートフォン上で完結します。準備するものは、マイナンバーカード、マイナポータルにログインするための暗証番号、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン、そしてマイナポータルアプリです。マイナポータルアプリをインストールしてログインし、「パスポート」をタップし、案内に従って入力を進めるだけの簡単な流れです。
全体の流れは「事前準備」「申請」「確認」の3ステップ
申請は「事前準備」「申請」「申請状況の確認」の3段階に分かれています。最も時間がかかったのは事前準備で、顔写真と自署(サイン)の画像、そして申請情報の入力が求められました。
顔写真はスマートフォンのカメラで撮影します。背景は白が推奨されており、自宅の壁でも問題ありません。自署は、白い紙に黒または濃い青のペンで氏名を記入し、それを撮影する形で提出します。申請情報では、氏名や生年月日、住所などがマイナンバーカードの情報と一致しているかどうかを確認するほか、緊急連絡先の登録なども求められます。
マイナポータルで各種申請が可能
申請はマイナポータルアプリを通じて行ないます。ログイン後、「パスポート(旅券)申請」を選択し、「パスポートを取得する(新規申請)」をタップすると申請が開始されます。対象となるのは「初めてのパスポート取得」「有効期限切れ」「紛失による再申請」のいずれかで、マイナンバーカードの記載情報が最新であることが条件です。マイナンバーカードに登録されている住所や氏名情報が古い場合は、住民票のある市区町村の窓口で更新が必要です。
パスポートの新規申請をタップすると、最初に受け取り場所を選ぶ画面が表示され、生活圏内のパスポートセンターが一覧で表示されます。各市区町村で、オンライン申請に対応しているパスポートセンターが表示されるので、自分の生活圏にあるセンターを選びましょう。
顔写真と自署の登録もスムーズだった
オンライン申請で最も気になっていたのが「顔写真」と「自署」の登録でしたが、案内に従って進めれば大きな問題はありませんでした。顔のサイズや背景色に関する細かな規定がありますが、アプリ側で背景の白処理、パスポートに適合するサイズへのリサイズ、位置調整が自動で行なわれます。
顔写真と自署の登録さえ終われば、後は簡単で何回かマイナンバーカードを読み込ませ、住所や氏名などの個人情報、緊急連絡先を画面に従って登録するだけです。
申請完了から交付まで、進捗はアプリで通知
申請完了後は、メールやマイナポータル上でお知らせが届き、パスポートセンター側での審査が進みます。現在は審査中ですが、滞ることなく進むと8~10開庁日後に交付予定とのことでした。
なお、受け取りにはパスポートの名義人である本人が申請時に選択したパスポートセンターにマイナポータルを通じて発行された二次元コードと手数料を持参して6カ月以内に受け取る必要があります。手数料はパスポートセンターで申請手数料分の収入印紙が必要ですが、マイナポータル上でクレジットカード納付も可能です。
実は3月24日以降の申請では手数料も改定されています。23日以前は、窓口・オンライン申請問わず一律の価格でした。例えば10年有効旅券は16,000円でした。これが、24日以降は10年有効旅券では窓口が16,300円と値上げ、オンラインが15,900円と値下げされています。
時間と手間が大幅に軽減
マイナポータルの本格運用が始まったのは、2017年11月13日です。今年で8年目を迎え、知見や技術も蓄積されてきたこともあり、操作は非常にスムーズ。行政サービスとして成熟しつつある印象を受けました。
オンライン申請を体験してみて最も実感したのは、申請にかかる時間と手間が大幅に軽減されたことです。窓口へ出向くのはパスポート受取り時の1回のみです。これまでは戸籍謄本を本籍地から取り寄せたり、収入印紙を用意したり、証明写真を撮影したりとまとまった時間と労力が必要でした。オンライン申請では、平日の仕事が終わった後30分あれば一通り申請を終えることができました。
顔写真の条件に合わせた撮影や自署画像の準備には多少の慣れが必要と思いましたが、丁寧にガイドを示してくれるおかげか、こちらもつまづくことなくスムーズに進みました。
オンラインでのパスポート申請は全国スタートしたものの、一律ではなく、自治体ごとの対応状況に差があります。利用を検討する際は、事前に自身が住んでいる地域のパスポートセンターの対応可否を確認することをおすすめします。