いつモノコト

子ども用のタブレットはiPadが最適だった

筆者には小学生の子どもがいますが、未就学児だった頃にタブレットを使わせていました。初めて選んだのはFireタブレットのキッズモデル。価格も手頃で、視聴できるコンテンツも多く、ちょっと動画を見たり簡単なゲームをしたりするには十分でした。いわば最初の一台として役割をしっかり果たしてくれたと思います。

ただ、小学校に入るあたりから、タブレットに求める役割が少しずつ変わってきました。幼稚園の年長までは動画やゲームが中心でしたが、低学年になると調べものをしたり、写真を見返したり、絵を描いたりと、やりたいことの幅が自然に広がりはじめます。

親としても、子どもの興味に合わせて使い道を広げやすい環境のほうがよいと感じるようになりました。細かい管理が必要というよりは、用途に合わせて柔軟に使わせられるタブレットを選びたいという気持ちが強かったと思います。

Fireのキッズモデルは幼児向けの安全な環境はしっかりしていますが、年齢が上がるにつれて、できることの範囲に物足りなさが出てきました。やりたいアプリがない、動作が重い、用途が限られるなど、子ども自身も物足りなさを感じる場面が増えてきたように思います。

そこで、誕生日のタイミングでiPadに切り替えました。選んだのは11型iPad(A16)のWi-Fiモデルで、ストレージは128GBです。結果として、このタイミングでの移行はとてもよかったと感じています。

iPhoneだけで見守れる手軽さ

iPadに変えてまず感じたのは、管理まわりの扱いやすさでした。使える時間帯、平日と休日の切り替え、アプリごとの利用制限、休止時間まで、必要な設定をすべて親のiPhoneから直接操作できます。子どもがiPadを使っている最中でも、手元のスマホだけで調整できるのは助かります。

スクリーンタイムで時間を確認できる

我が家では、平日は3時間、休日は5時間という上限を決めつつ、動画は30分、よく遊ぶゲームは1時間というように内容で区切っています。これらの切り替えは自動で行われるため、その都度声をかけたりタブレットを操作したりする必要がありません。

時間を細かく区切ることが可能

アプリの追加は承認制にしています。子どもが新しいアプリを入れようとすると、親のiPhoneに通知が届き、そのまま内容を軽く確認して許可・却下できるのも便利です。

休止時間は21時30分から翌6時に設定しています。時間帯になると自動で使えなくなるので、こちらが特別な操作をしなくてもルールがそのまま反映されます。必要があれば、iPhone側から少しだけ延長するといった調整もできます。

FireタブレットやAndroidタブレットにも遠隔管理の仕組み自体はありますが、iPhone側から操作する場合はブラウザや専用アプリを経由する必要があります。iPadの場合は、家族設定やスクリーンタイムがiOS標準の中に統合されているので、普段のiPhone操作の延長でそのまま管理できます。通知から直接、承認できたり、設定の反映が速かったりと、日常の小さなストレスが確実に減りました。

Kindleの遠隔管理画面

細かな機能をすべて使いこなしているわけではありませんが、親がiPhoneを使っている我が家では、必要な操作や微調整がすべてiOS内で完結するという点が特に大きなメリットでした。タブレット側を直接触らなくていい場面が増え、扱いやすさがかなり上がったと感じています。

遊びかたと学びかたの幅が広がった

iPadにしてから、子どもの使い方は大きく変わりました。Fireタブレットの頃は動画やゲームが中心で、どうしても与えられた範囲の中で遊ぶという使い方になりがちでしたが、小学校に入ってやりたいことが増えてくると、その枠だけでは物足りなくなってきたようです。

iPadに変えてからは、遊び方と学び方の幅が一気に広がりました。たとえば算数は、計算を繰り返すアプリに加えて、考えながら進めるタイプのものも使うようになり、気がつくと自分で起動して取り組むことがあります。英語のアプリも少しずつ触るようになり、時間の使い方が動画を見るだけではなくなりました。

創作系では、お絵かきアプリで自由に描いたり、観察記録を写真に残して細部を拡大して見たりと、興味に合わせて使い方を広げています。旅行先でデジカメで撮った写真をiPadに取り込み、大きい画面で見返すようになったのもよくある使い方です。Fireのキッズモデルでは難しかった体験で、iPadにして良かったと感じる瞬間でもあります。

観察記録を写真に残している

もうひとつ大きいのは、時間の使い方を自分なりに考えるようになったことです。一日の制限時間の中で、どのアプリを使うか、学習アプリをどのタイミングでやるかなどを自分で調整しています。単に使わせてもらう時間ではなく、自分で選んで使う時間に変わってきた印象があります。

動作が軽く、思った通りに反応してくれるという点も大きくて、以前のような「このアプリがない」「動きが遅い」といった不満がほとんどなくなりました。

我が家にはiPadがフィットしていた

FireタブレットからiPadに移行して感じたのは、親と子どものどちらにとっても扱いやすさが増したことです。子どもは学習や創作など、興味に合わせて使い分けられるようになり、親はiPhone側での管理がよりスムーズになりました。設定や流れがiOSの中で統一されているので、タブレットを直接操作する場面が減り、日常の手間が確実に減ったと感じています。

左がiPadで右がKindle Fire キッズモデル

未就学の頃はFireキッズモデルで十分でしたが、年齢が上がると使い方が少しずつ変わってきます。そうした中でも、iPadは子どものやりたいことに応えられる幅と、親が見守りやすい仕組みの両方が揃っていて、家庭での運用がしやすくなりました。

我が家の場合は筆者がiPhoneを使っているので、iPhone側で完結する運用との相性が良く、そこが決め手になりました。価格差はありますが、数年間使うことや用途の広がりを考えると、この選択がちょうど良かったと感じています。

安心して渡しつつ、成長に合わせてできることを広げたいというバランスを考えると、今の我が家にはiPadがもっとも合っていました。

小出 悠太郎

1990年生まれ、青森出身のWebエンジニア。高専卒業後、放射線業務従事者、Webライター、編集者の職を経て現在に至る。2012年から運営しているブログでは、自作PCやカメラ、スマホといったガジェットのレビューを発信中。エンジニア、ブロガー以外にも、ライター、カメラマンなど、活動は多岐にわたる。