いつモノコト
思い出に残るバイクツーリングには「インカム」が必須だった話
2025年11月2日 09:15
先日、往復500kmのツーリングに2人で行ってきました。その際、走行中でも通話ができるインカムを導入してツーリングの楽しさが“倍増”したので、その体験談も込みで紹介します。
インカムとは、バイク乗車中にほかのライダーと通信や音楽を聴くための機器です。もともと筆者はソロツーリングが多いので、リサイクルショップでジャンク品として販売されていた「通話機能のない、Bluetooth接続のみ可能な安価なインカム」をまれに使う程度でした。しかし、友人から「一緒に走るならインカムを導入してほしい」と強い希望があり、導入することに。
購入したインカムは「50S SOUND BY Harman Kardon」です。価格は公式価格で56,980円。日本では、サインハウス製の「B+Com」とSENA製の2メーカーが主流となっています。友人やネット上のバイクユーザーをみる限りでは、B+Comの利用率が多い印象でした。B+ComとSenaといった他社間の組み合わせであってもペアリングはできるのですが、一部接続が不安定になるといった情報がありました。日常的に複数人とツーリングしないのであれば、Senaでも問題ないと思い購入。
基本的には、よく行く仲間と同じメーカーを選ぶのが無難です。筆者がSenaを選んだ理由は、前述の通りソロツーリングがメインであること、そしてHarman Kardon製のオーディオシステムが搭載されていることです。
インカムはヘルメット内部に2基のスピーカーと1基のマイクを取り付ける必要があり、ヘルメットの種類によっては、初回セットアップに苦労します。
筆者はクラシックデザインのフルサイズヘルメットを愛用しており、インカムを装着しない前提で設計されているためか、少々取り付けに苦戦しました。
無事に装着も完了したので、いざツーリングへ。友人との合流地点まで約100kmあり、その道中では音楽やナビの音声を再生しながら走行。 Harman Kardon製のオーディオシステムが搭載されているだけあって、たしかに高音質でしたが、もう少し音質の良さを感じたかったところです。インカムはバイク用品のため、オーディオ製品の基準で判断するのは「ナンセンス」と自分を納得させながらも、ハイエンドインカムを購入しても自己満足できないと無意味ではないか、と少しだけモヤモヤ……。
そうこう考えているうちに、あっという間に友人と合流しました。ここでインカム同士を接続し、2人で走ることに。友人は他社であるB+Comシリーズを使用しているため、接続トラブルが発生しないか不安でしたが、特に問題もなく杞憂に終わりました。
実際にインカムで会話しながら走行してみると、進路変更時や道を間違えた時、なによりも「お手洗いに行きたい」といった報告・連絡・相談が非常に快適に行なえます。
自分が先導している場合、後続車のハンドサインを常に確認するのは困難であり、あたふたしている間にお手洗いやパーキングエリアを逃してしまう可能性があります。もし(我慢できずに)漏らしてしまったら……と想像すると、かなり恐ろしいですよね。インカムは、このようなリスクを軽減させる観点からも便利だと感じました。
ちなみに、インカムはスマホなどの端末とBluetooth接続ができ、通話アプリのDiscordやLINEなどで通話する手段もあります。筆者がこれまで使っていた謎メーカーのインカムはBluetooth接続のみ可能で、インカム同士のペアリングには非対応でした。
実際にDiscord通話も試してみましたが、ナビと併用した場合、スマホの充電がものすごいスピードで減ります。また、通話にタイムラグもあり、この数秒のラグが事故に直結しかねない運転においては、報連相の場面を考えると危険です。走行中でなければDiscordで問題ないでしょう。
ここまでメリット・デメリットを紹介しましたが、インカム導入の本質は「友人と会話しながら走行すると楽しい」という点に尽きます。ツーリング終盤に友人が「インカムがあると会話できて、思い出に残る」と言われたのは本当にその通りで、バイクは車と違いひとりで運転するもの。インカムが無ければ、ツーリングは味気なく、ここまで思い出に残らなかったでしょう。出費を惜しみながら購入しましたが、結果的には大満足でした。次回も大活躍しそうです。
ちなみに筆者はSena 50Sを購入しましたが、新モデルのSena 60Sも登場しています。






