いつモノコト

肉のレンジ解凍 加熱ムラ問題 自動車部品メーカーが作った便利グッズで解決

食品価格の値上げが家計を直撃してきた2023年。割安な大容量品を購入したり、特売品をまとめ買いするなど、なんとかやりくりしようと頑張ってきた人も多いと思います。賢く消費するために手にした大量の食材。保存法といえば、やはり冷凍が王道ではないでしょうか。皆さんは、冷凍保存している食材の解凍、ストレスなくできていますか?

筆者はこれまでレンジの解凍機能を活用していましたが、特にお肉の解凍にストレスを感じていました。一部はカチコチに凍ったままなのに、一部は茶色くパサパサに……どうしても加熱ムラが生じてしまうのです。調理する前日に冷蔵庫のチルド室に移したり、時間をかけて自然解凍させたりすれば良いのですが、忙しい日々ではなかなかそうもいかず……。

食材本来のおいしさだけでなく、料理のモチベーションをも下げてしまうお肉の解凍問題。この問題に、終止符を打ってくれるアイテムに出会いました。それが、創業90年の自動車部品メーカーが作ったアルミ合金製のコンパクトなプレート「OMRIQ PLATE」。2月にクラウドファンディングが開始され、現在はオンラインストアで販売されています。

プロジェクトページより。現在はECで購入できます

料理と自動車、なんだか無縁に感じるジャンルですが「自動車部品加工技術を活かした究極の解凍プレート」と銘打っているところに頼もしさと未知のワクワク感を抱き、筆者はクラウドファンディング期間中に応援購入しました。

このOMRIQ PLATEを作ったミナミダ社は、自動車用特殊パーツなどを製造している大阪の企業。狭く熱がこもりやすい自動車の内部で、「いかに部品を効率的に冷却させられるか」という課題に長年向き合い、培ってきたヒートシンク(放熱部品)の技術を転用したそう。

自然解凍と比べると、解凍速度は最大約2.5倍。食材組織がダメージを受けやすい温度帯を早く通り過ぎるため、旨味を含んだドリップ(食材から出る水分)が最小限に抑えられ、おいしさも損なわれにくいそうです。

プロジェクトページより

実際に使ってみると、レンジと違って温度ムラがなく、加熱しないため茶色くパサつく心配もなし。塊のお肉だけではなく、日常使いするこま切れ肉やひき肉でも、その力を発揮してくれています。放熱の仕組みを応用して、お弁当の粗熱取りにも大活躍。

普段使いのこま切れ肉、ひき肉の解凍も
お弁当の粗熱とりにも。夏場は特に大活躍でした

機能性が高いだけでなく、7×7cmというコンパクトなサイズで、見た目が美しい点も嬉しいポイント。ゴチャゴチャしがちなキッチンでも邪魔になりません。つい使いたくなる・つい手に取りたくなるデザインは、料理という日常の営みに潤いを与えてくれる大事な要素です。

プロジェクトページより。コンパクトで、気持ちよく重なるのも嬉しい

販売価格は5,500円と、100円ショップにキッチングッズが溢れるこの時代、決してお手頃とはいい難いお値段ではあります。ただこのアイデアと技術力、取り入れてみるとなかなか良いものです。痒い所に手が届くアイテムとして、家計のやりくりと料理に勤しむ方への、クリスマスプレゼントにするのも良いかもしれません。年末の冷凍庫掃除にもひと役買ってくれそうです。

食品価格の値上げニュースを幾度となく目にした2023年。冷凍保存した食材の解凍がストレスなくできることは、割安の大容量パックやまとめ買いも躊躇なくでき、賢くお買い物ができたという満足感にもつながります。どんな工夫をするかは人それぞれですが、こんなアイテムを取り入れてみるのもまた、日常生活を心豊かに送るための方法といえるのではないでしょうか。

武田 春香