いつモノコト

軽く・太めの書き味でメンテ要らず コクヨの「ファインライター」

コクヨ「WP-F100ファインライター」 カラーはシルバー

デジタル機器に囲まれて生活しているので、普段の文字入力はタイプばっかりです。手書きが必要な時にも、いまやスタイラスで画面に書く時の方が多くなっています。

それでももちろん、紙になにかを書く必要があるときはあるわけで。

外出時、カバンの中にスタイラスしか入ってなくて、「えーっと、リアルなペン、持ってないですか?」と、周囲の人によくわからんお願いをすることもあります。

なんだその「リアルなペン」って。

というわけで、カバンには必ず黒(青)系が一本、赤が一本、ボールペンが入っています。どちらもゲルインクボールペンです。

大学以来もう30年くらい、メインの筆記用具は万年筆でした。鉛筆やシャープペンシルよりはっきりした描線で、力を入れずに殴り書きできるのが好みです。

ただ最近は、ペンへの依存度も減り、コストとメンテの不要さから、ゲルインクボールペンが多くなっています。油性ボールペンはどうも書き味というか、描線の「入り」が苦手です。

で、ここまでが前置き。

最近、ペンの方を変えました。

コクヨの「WP-F100ファインライター」です。

この製品、同社が「WP(Writing Product)シリーズ」として展開する新しい製品群。市販を予定はしていますが、今年の5月に、Makuakeで予約販売が行なわれました。

価格は4,400円。筆者の場合には先行販売価格の4,180円で購入しています。

安価なペンというわけではないのですが、とにかく書きやすいのです。

すごく簡単に言えば、「ペン先が潰れず、書き味が軽くて、万年筆的な味わいのあるサインペン」という感じでしょうか。

ファインライターのペン先。樹脂製で、内部からインクが滲み出るような構造

仕事柄、メモを書くときには人の話を急いで残す場合が多く、力を入れずに素早く書き殴れるものが好み。その上で、描線は太めで強弱がつきやすいものがいい、と思っています。ゲルインクボールペンは書き味こそ軽いものの、描線が細くて頼りないのが気になっていました。

しかし、ファインライターはそうではありません。かなり好みの描線と軽い書き味が同居していていい感じでした。

書いてみた例。とても悪筆だが、取材時の書き殴りを再現したものなのでご容赦を。素早く視認性の良い描線が描ける

秘密はペン先にあります。

ファインライターのペン先は樹脂製。微細なスリットの間を毛細管現象でインク(顔料系)が出ていく形。カチカチではなくほんの少ししなるのですが、筆圧で潰れるほどではありません。

コクヨのWPシリーズ解説ページより抜粋。ペン先が「スリットの大量に入った樹脂」であり、そこにインクが染み出すので書き味が軽い

そんな構造なので、サインペンと万年筆の間のような書き味が、ボールペン並みのメンテナンスフリーであつかえるわけです。

実は同じWPシリーズには、ボールペン系列の新機軸である「ローラーボール」もあります。こちらは粘度の低いインクとペン先を組み合わせた構造で、やはり軽い書き味が特徴だそうです。

購入時には「片方でいいや」と思ってファインライターだけを買ったのですが、ここまで出来がいいと、「買わなかったローラーボールはどうなのだろう」と気になってきます。

今後の一般発売時には、ファインライターの替え軸(リフィル)と同時に、ローラーボールの方も買ってみようと考えているところです。

ファインライターのリフィル。ボールペンと同じような形状だが、ペン先が違う点に注目
西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、週刊朝日、AERA、週刊東洋経済、GetNavi、デジモノステーションなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
 近著に、「顧客を売り場へ直送する」「漂流するソニーのDNAプレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)、「電子書籍革命の真実未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「スマートテレビ」(KADOKAWA)などがある。
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