いつモノコト

自宅仕事は手が寒い! 指なし手袋で快適キーボードタイピング

841 ハンドウォーマー MAX

「寒い」

木造一軒家の北西向きの部屋で仕事をしています。夏は西日で暑く、冬は寒さが厳しい作業部屋です。もちろん暖房器具はあります。四畳半の部屋ですが、七畳まで使える石油ファンヒーターです。

ただし、例えば部屋を20℃くらいの十分に暖かい状況にするには少々難しいものがあります。性能的には十分なのですが、あまり温かくし過ぎると頭がぼーっとすることがあります。一方で、換気のための窓の位置も悪く、ちょうど机の上を空気が流れており寒さを感じます。現実は、石油ファンヒーターの設定温度は低めにしつつ、温かい恰好をしてしのいでいます。

ちょっと寒いくらいの時期であればいいのですが、気温が10℃を下回ってくると、そうもいきません。頭寒足熱という意味ではちょうどいいところにできるのですが、そうなると手が冷たいのです。

かじかんで指が動かなくなるほではないものの、寒さを感じキーボードをタイプする手の動きが鈍ります。指先はもちろんのこと、手の甲があきらかに寒いのです。

手袋をするとキーボードの入力に難アリ

「手袋すればいいんじゃね?」

部屋の中で手袋は間抜けな気もしますが、試してみます。

温かさに関しては、とてもいい感じです。

ただし、予想していたことですが、キーボードのタイプで問題があります。

手袋をしていても、FとJのキーに人差し指をおいたホームポジションの状態であれば、多少のミスタイプは増えるものの文字入力は不可能ではありません。しかし、右手を一度カーソルキーやテンキーだったりマウスだったりに伸ばしてしまうと、再度ホームポジションに指が戻ったのか、キーボードに目を落とさなければなりません。これは手間です。

手袋をしてタイプしてみますが、これはダメです。どのキーの上に自分の指があるのか分かりません。

手袋をしていると、いくつか気づくことがありました。

まず、手はおおよその位置は覚えています。あまり動かすことのない左手との相対位置を把握しているようで、右手はある程度はホームポジションに戻せます。しかし、それは正確ではなく、実際はそのあと指先で位置を確認して微妙に調整しているようなのです。加えて、エンターキーは右端、スペースキーは下端になにもないかを指先で確認しています。指先の感覚は大切です。

マウス操作も表面を滑る感じがして違和感があります。手袋で手をすべて覆うのは現実的ではないことが分かります。

軍手の指先を切って使うと温かいしタイプも出来る

「じゃぁ指先が出てればいいんだろ」

ということで、試しに軍手の指先部分を切って使ってみます。正直悪くありません。温かさは十分です。指先が出てるとかじかむと思い込んでいたのですが、そんなことはありません。もちろん、軍手がある部分に比べて温度の低さは感じますが、動きが鈍ることもありません。

ただし打ちづらいのです。もちろん先述のホームポジションに手が戻らないという問題は解消されます。しかし、素手と比べれば明らかにタイプミスは増えています。

軍手の指先を切ってみました。本稿執筆のため改めて作ったのですが、特に指の付け根部分の動きが制限される感じがあり、切り口からボロボロとしてきます

主な原因は、軍手の指の付け根の水かきの部分だと思います。この部分により動きが制限されているようです。慣れればなんとかなりそうですが、大リーグボール養成ギプスのような感じといえばいいでしょうか。

これで慣れていれば、高速タイプを身につけられるのか? という淡い期待もしたのですが、外したときのギャップも大き過ぎました。素手で自由になった直後、指が軽く動き過ぎて、外した直後はミスタイプが増えるのです。加えて、軍手の切り口はボロボロとほつれてくるので、なんらかの始末をつける必要がありそうです。

指なし手袋購入で分かった色とサイズの重要性

「どうせ売っているだろう」。と、探してみます。条件はなんとなく見えてきていました。

・指先が出ていること
・できれば薄手のもの

の2つです。

そこで購入したのが、841のハンドウォーマーです。素材(綿かシルクか)と、大きさの違い、指先がどれくらい出るかによって、いくつか種類があります。色も18色から選べて、どれにするのか悩むのも楽しかったです。

購入した指なし手袋。快適です。手は暖かく、キーボードの入力もほぼ問題ありません

私は、綿製のものを2つ購入しました。Lサイズで色はターコイズと、同じサイズでも指先が出ている部分が少ないMAXで色はグレー×チャコールです。

841のハンドウォーマーは、18色から選べ、指先がどれだけあるかによってサイズも複数あります

これは快適です。もちろん、素手でタイプするのに比べれば、やはり指の付け根部分に違和感は残りますが、それも少しだけ。手が暖かいメリットが上回ります。

ちなみに、2つ買ったものの、指先の出ている部分が少ないグレーのほうばかり使っています。キーに触れるのは指の指紋のところだけですから、それ以外は手袋で覆われていた方が暖かいからです。また、色も意外と気になりました。ターコイズの色は鮮やかで気に入ったのですが、これをしてキーボードをタイプすると、目の下のほうにチラチラ入ってきてちょっと鬱陶しく思えてきます。キーボードや指の色、もしくは無彩色のものの方が良さそうです。

筆者が購入したのは2種類。L(左)とMAX(右)です。サイズは同じですが、MAXの方が若干指が出る部分が少なくて済みます

ただし、不満がまったくないわけではありません。指先はもっと出ていないくても十分でした。それはMAX2という指先ちょこんとだけ出る製品があるので、いつか試してみようと思います。もう一点は、手首です。もちろん上着で工夫すればいいのですが、リストウォーマーのようにもう少し腕のほうまであれば、より暖かく過ごせそうに思えました。

手袋をしたときにどれだけタイプに違和感を覚えるかは人によると思います。手の大きさにあうサイズかどうかも重要です。ほかのメーカーの製品でも、合うかどうかが選択の鍵になりますが、こればかりは購入して試してみるしかないかもしれません。

ただ、確実に指なし手袋はアリです。

脱ぎ方にはコツが要ります。普通に脱ぐと、指先がないこともあって裏返しになりやすいのです。私は、手首側から反対の手の指を滑り込ませるようにして脱いでいます

猪狩友則

フリーの編集者、ライター。アサヒパソコン編集部を経て、2006年から休刊までアサヒカメラ編集部で編集者。その他ムック等の編集、ソフトウェアの使い方や各種仕組み解説、スマートフォン関連の執筆もおこなう。趣味はマイル修行。