いつモノコト

インクが安くて楽しい! エプソンのインク補充式プリンタ「EW-752T」

プリンターが故障したので新しく買いました。エプソンの「EW-752T」です。コピーやスキャナー機能を搭載した普通のプリンターですが、インクの部分がカートリッジ方式ではなくエコタンク方式が採用されており、本体に直接インクボトルをさして補充ができる優れものです。購入価格はヤフーショッピングで39,900円でした。

インク補充楽々! 純正インク1本630円のプリンター

本製品はエコタンク方式の採用によりインクコストを抑えることができます。筆者はインクコストに悩んできました。壊れるまで使ってきたキヤノンのピクサス「MG8130」(2010年発売)のプリンターは1本あたり純正インクで1,056円~1,166円の費用がかかります。1年間を通じて文章の印刷はもちろん、写真と年賀状の印刷シーズンにもなれば同じシーズン内で2回インクを交換してきました。

5年目ぐらいからは、非純正インクに切り替えました。非純正は1本あたり817円~859円です。純正と比べて安く手に入ります。最初は純正品と変わらず印刷できましたが次第に印刷物が擦れるようになり、10年目ぐらいに差し掛かった時、ヘッドクリーニングをしても回復せずまともに印刷できなくなりました。何度もトライするうちに「吸収パットが限界」という警告表示が出たので「EW-752T」を購入しました。

エプソン「EW-752T」

本製品はインクカートリッジではなくボトルタイプで、1本あたりの純正インクは630円、約半額で純正インクが買えます。コスト的には同時期に発売されたインクカートリッジ方式の「EP-883A」と比較すると、A4カラー文書のインクコストは約12円に対して約2.7円、L判サイズ写真は約20.6円に対して約8.6円なので、圧倒的にインクコストを抑えられます。

1本630円のインクボトル

嬉しいことに、廃インク吸収パットも自分で交換できます。これまで廃インクはプリンター内部に備え付けてある吸収パットに流れていっぱいになるとメーカー修理扱いでした。

インク補充の際にも驚きがありました。インクボトルを逆さまにしても漏れず、手や服につくこともありません。差込口がインクの色によって形状が異なる仕様になっている為、間違っても差し込めないようになっていました。

筆者はインク補充のトラウマがあります。過去にインクカートリッジにインクを補充する非純正ボトルインクを使ったことがあり、注入の際にこぼしてしまったことがあります。その為、インクの蓋を開けて逆さまにすると漏れないか、こぼして手や洋服につかないか、今回はそれ以上に、インクを間違えて他のタンクに入れてしまわないか、気になっていましたが杞憂のようでした。

インクタンクを本体に補充中、逆さまにしても吹きこぼれない
インクタンクと差込口の形状が一致するようになっているので差し間違えない

印刷性能は十分綺麗!アクセシビリティ豊かな機能美

次に印刷の性能を確認しました。まずA4用紙(カインズホーム製/白色度85)に文字や写真を印刷してみました。細かくみると小見出しと文章のフォント差が分かりにくく、インク出力の解像度が低いように見えますが、複合機としては十分な性能です。黒色も染料インクに顔料インクが加わっているのでしっかり出ていて綺麗な仕上がりです。

A4用紙に印刷した様子。

次にL判写真用(富士フィルム製WPL100PRM)にて印刷してみました。1枚25秒で出てくる高速印刷は全体的に高画質で驚きました。細部に至っても印刷ムラのような感じもなく、良い仕上がりです。エコタンク方式でここまでの高画質な写真が出てくるとは思いませんでした。どうやら高画質の理由はマイクロピエゾヘッドと呼ばれる技術が大きいようです。これは熱を使わず、電圧を微細にコントロールすることで正確なインク吐出ができるため、精密な絵画や繊細なグラデーションが出るようです。

L判に印刷した様子。

印刷する段階でも驚きがありました。印刷用紙のトレイを外すと、用紙の入れ方をすぐに教えてくれます。また、印刷中に何らかのアクシデントがあれば、液晶パネルに説明が出てきます。例えば、本来とは違う用紙が入っていた場合、印刷したモノに不具合があった場合、本体の液晶をタッチするだけで詳しく教えてくれます。それでも不明の場合はQRコードを表示して、スマホで読み取り、ネットのヘルプページまで誘導してくれます。

「!」のタブを押すと原因の追及をしてくれる

印刷が楽しくなる! スマホで色々プリント

最近のプリンターはスマホで操作ができます。もちろんこのプリンターも対応しています。「Epson Smart Panel」をダウンロードすることでサービスを受けることができます。本体のタッチパネルから操作するよりも直感的な操作ができるのでより手軽に印刷ができます。その中でも筆者が「これはイイ!」というものをご紹介します。

筆者が選んだのは、「写真を印刷する」「IDカードコピー」「年賀状を作る」「いろいろな印刷」の4種。

筆者が選んだ4種

「写真を印刷する」は、スマートフォンのライブラリにアクセスしてすぐに印刷ができます。上記で紹介したL判の写真はすべてこのアプリから印刷しました。

「IDカードコピー」は非常に便利でした。これまで身分証明書をコピーする際はスキャナーで両面コピーを選択して、裏表でダブらないように、工夫しながらコピーしました。それが自動で1枚に綺麗な状態で印刷ができます。

「年賀状を作る」では、宛名面をスマホで簡単に入力できます。裏面は定番からデザイナーが仕上げたモノまで幅広く取り揃えています。毎年年賀状のイラスト集を購入して、パソコンにインストールし、印刷するまでに1時間かかっていたものが、今年はスマホで簡単にできてしまい、時間は10分かかりませんでした。

「いろいろな印刷」では、コラージュ、文具、デザインペーパー、塗り絵、FacebookやInstagramと連動して印刷することもできます。面白い機能がてんこ盛りです。

「Epson Smart Panel」→「年賀状を作る」→「カラリオ年賀」で印刷した普通ハガキ

筆者の購入きっかけはあくまでインクコストの削減でした。それだけでよかったはずが、色々と使ってみるとプリンターに面白機能がたくさんあり、驚くばかりでした。本体金額がやや高めではありますが長期運用とインク代節約のことを考えれば妥当かと考えております。

西園寺正太郎

趣味はオーディオとモノづくり、湯豆腐と鯵が好きなちょっと渋い20代