いつモノコト

Spotify、Apple Music、AWAを通信量を抑えて使ってみる

ウォークマンの買い替えを検討する中で、サブスク系の音楽配信サービスをスマホで利用するという選択肢も考え始めた。そこで、Spotify、Apple Music、AWAの3つをそれぞれ2週間程度利用。特徴やストレスを筆者の視点でまとめてみた。

まず基準として、筆者の音楽を聴く際のスタイルを紹介。Windows PCをメインで利用し、CD取り込みやダウンロード購入で収集した曲はすべてこちらに入っている。使用アプリはMusic Center for PCで、ミニコンポに有線で繋いで聴いている。ウォークマンは外出時のみ使用し、iPhone7ユーザーだが音楽を聴く際には使っていなかった。

聴いているのは邦楽メイン。アニメとのタイアップをきっかけにアーティストを知ることが多く、先に聴きたい曲やアーティストが決まってから探していく。プレイリストを作る際も、だいたい作りたいテーマと曲が浮かんで一気に作りたいタイプ。

メインはPC版アプリで管理しストリーミング再生。iPhoneで持ち出す際には、通信量を控えるために自宅のWi-Fiなどで事前にダウンロードし、操作はプレイリストを作る程度という自分のスタイルにハマりそうなサービスを探した。

Spotifyは曲の管理が楽。PC再生時はスマホがリモコンに

最初に試したのはSpotify。月額はFreeが無料、Premiumが980円、学割プランが480円、ファミリープランが1,480円。選んだ理由は単純に有名だから。Windows版アプリをダウンロードして、ユーザー登録後にiOS版もダウンロード。

登録して真っ先に困惑したのが文字化けしているニックネーム。操作には支障がないのでとりあえず放置することにした。

文字化けしたニックネーム。変更はできなかった

アーティストやアルバムごとにお気に入り設定ができるのが便利。PCのアプリで1曲ずつチェックを入れることで追加する曲を管理でき、スマホアプリを開くとPCでチェックした曲が自動でダウンロードされていくので楽だった。

Windows:ダウンロードしたい曲にチェックを入れれば、スマホも同期して自動でダウンロード

スマホアプリから見てみると、関連するアーティストの表示や、HOMEのおすすめの曲の表示などが充実しているが、PCのアプリでは、同じコンテンツがややわかりにくい階層に。また、プレイリストの作成もワンクリックで曲を選べないなど、少し不便に感じる点もあった。

Windows:サイドメニューにあるメイド・フォー・ユーにはあまり表示されず
Windows:Browse>ディスカバーにユーザー向けのプレイリストが。気づくまでに時間がかかった

複数の端末で同時にアプリを開くと、再生していない端末をリモコンのように使えるのが快適。PCを再生する端末に設定し、スマホから選曲して再生を押すとPCにつながってるミニコンポから曲が流れる。部屋の掃除をしながら曲を変えてモチベーションを維持する、といった使い方ができて便利だった。

iOS:音楽を再生していない端末で選曲や音量の調整が可能

筆者はPC側のアプリで音量を最大にして、ミニコンポの方で調整していたのだが、この機能を使った際、リモコンになっていたiPhoneの音量も最大になってしまい、この後ゲームを起動した時に大音量を響き渡らせてしまった。使用後は音量周りの注意が必要だ。

iOS:PCの音量に同期されてiPhoneが音量最大に

スマホアプリでは、オフラインモードでダウンロード済みのもの以外表示されなくなる。明確になっているので通信制限されるリスクへの不安がなく、気持ちよく利用できた。

Apple MusicはiTunesが使いやすい。iCloudでの同期もスムーズ

次に試したのがApple Music。月額は学生プランが480円、個人プランが980円、ファミリープランが1,480円。選んだ理由は筆者がiPhoneユーザーなのと、サブでMacBookを使用しているから。iPhoneはミュージックアプリ、MacであればiTunesから月額登録すればそのまま利用できる。

筆者はiOSのミュージックアプリがあまり好みではないのだが、MacでのiTunesの仕様は以前使っていて慣れていることもあり、快適に操作できた。Apple Musicでのレイアウトも見やすく、曲を探すときなどもストレスなく操作できた。

iTunesのApple Musicでは、お気に入りだけしておくという機能はないが、1曲ずつライブラリへ追加できる。iPhoneの設定から「iCloudミュージックライブラリ」と「自動的にダウンロード」をONにしておけば、iTunesで追加した曲がiPhoneに自動でダウンロードされる。

Mac:+をクリックでライブラリに追加。自宅ではストリーミングで聴くので、Macにはダウンロードせず、クラウドのマークに

プレイリストを作成する際にも、ライブラリの曲を複数選択してドラッグアンドドロップで追加していけるので、iTunesでの操作に関してはほとんど不満を感じなかった。

しかし、iOSのミュージックアプリでは話が変わる。プレイリストを作る際、新規作成後に編集モードになり、iPhoneにダウンロードをしてある曲からチェックを入れて選んでいくのだが、間違えて入れてしまった曲のチェックが外せず、2回押すと同じ曲を複数登録する。なおiTunesでは、重複した曲を入れると通知が出て、重複している曲だけキャンセルできる。

iOS:チェックを外そうと何度か押したところ(左)、押した分だけプレイリストに追加された(右)
Mac:同じ曲をプレイリストに追加しようとすると通知が出て、複数選択している場合は重複していない曲のみをそのまま追加できる

また、この記事の執筆中にiPhone7からXSに機種変更したのだが、ライブラリは同期されたものの、ダウンロードは手動で行なう必要があった。「自動的にダウンロード」を設定していても、自動でダウンロードされるのはライブラリに追加したタイミングだけのようだ。

ミュージックアプリもiPhoneの設定からモバイル通信をオフにできる。オフに設定しておけば、Wi-Fi接続時以外にApple Musicのコンテンツを開いたときにオフラインモードと表示されるので、通信制限の不安を抱えずに済む。

AWAはスマホでもプレイリストが作りやすい

最後に試してみたのが、AWA。月額はFreeが無料、Standardが960円。選んだ理由は、邦楽が豊富という話を聞いていたことと、日本の企業が運営していることからSpotifyやApple Musicとの違いが気になったというところ。Spotify同様、Windows版とiOSアプリをダウンロードした。

PCから1曲ずつお気に入り登録できる点は良いのだが、スマホに自動でダウンロードされないため、スマホアプリのFAVORITEから手動でダウンロードしていかなければならなかった。

また、アルバム1枚丸ごとであれば1タップで一気にダウンロードできるのだが、シングルなどで歌詞の無いの曲を外してダウンロードしたい場合、一気にダウンロードしてから対象を削除するか、ダウンロードしたい曲の詳細メニューを出して、「ダウンロード」を選ぶ必要がある。

iOS:シングルでinstrumentalを外してダウンロードしたいときは、1曲ずつメニューを開いてダウンロード/削除を選択する必要がある

プレイリストは作りやすく、PC、スマホのいずれも新規作成後に曲を検索してワンクリック/タップで追加、削除できる。また、スマホにダウンロードする際、PCからプレイリストを作成してダウンロードしたい曲をまとめ、スマホ側からそのプレイリストをダウンロードすることで上記の手間を省けるため、途中からこの方法をとった。

Windows:左側で検索して、+をクリックでプレイリストに追加できる
iOS:こちらは追加した曲が画面下部に表示される。取り消しもできる

音質設定から「Wi-Fi接続中のみダウンロードを許可」の項目が設定できるが、Spotify、Apple Musicとは違って、モバイル通信でもストリーミング再生してしまうので、筆者のように通信量を気にしている場合は注意が必要。

AWA公式アカウントによるプレイリストも充実しているのだが、PCから曲を探していると一般ユーザーのプレイリストが表示されることが多く、「アワアニメ」などを見落としてしまったりと、細かい部分で使いづらさはあるが内容は充実していた。

スマホでプレイリストを聴くならどれも便利だが、ウォークマンも手放せない

どのサービスも、スマホから公開されているプレイリストを聴くには快適だと思う。だが筆者としては、曲はシングルやアルバム毎で管理したいし、気軽にプレイリストも作成したい。そういった点で、iTunesで扱いやすかったApple Musicを今後も使ってみようと思う。ウォークマンから完全に乗り換えるのではなく、気分に合わせて使い分けていく形で。

聴きたい曲が配信されていなかったり、聴こえ方も若干違ったりするので、好きなアーティストの曲はCDなどで購入してウォークマンで聴きつつ、気になる曲をApple Musicで試していくスタイルが自分には丁度よさそうだ。

野澤佳悟