ミニレビュー
「SwitchBot 防犯ブザー」を小学生の子どもに持たせてみた
2025年8月29日 10:00
Switchbotから新たに「防犯ブザー」が発売されました。本製品は、その名の通り「防犯ブザー」ですが、ブザーを持つ人の位置確認や、SwitchBotのスマートロックと連携して家のカギの開閉、LEDライトとしても機能するなど、防犯ブザーらしからぬ多くの機能を備えています。価格はAmazonで2,980円です。今回、メーカーからご提供いただいたので、試してみました。
LEDライト機能は、「懐中電灯」として紹介されていますが、“明るく照らす”よりも、夜道で、自動車や自転車に「存在に気付いてもらい事故を回避する」ためのライトとして心強いのではないでしょうか。ライトは、弱/強の切り替えが可能です。
ただし、子どもに使わせたところ、通常のLEDライトと異なり、見た目が平らな部分を押し込む操作はやや難しかったようで、「どこをどう操作すればライトが点くのか」正しく理解するには時間がかかりました。年少者が利用することを考えると、スイッチ類はONとOFFが明確で、操作がわかりやすいように設計されている方が助かるかもしれません。なお、小2の子どもは夏休みの昆虫探しにも活用していました。
キーホルダー部は丸型のカラビナタイプで、カギ、リュックなどのほか、小学生のランドセルにも取り付けしやすい構造です。今回は、試していた期間がちょうど夏休み中であったため、実際にランドセルに取り付けて登下校に利用する機会はありませんでしたが、防犯ブザー単体では電話やデータ通信でのやりとり機能がないため、学校にも持っていきやすい仕様といえるでしょう。
電池の交換にはドライバーが必要で、うっかり電池が外れてしまう心配も不要ですし、防水防じん性能はIP65相当のため、突然の雨に見舞われても、正常に動作することが期待できます。
アラート機能としては、「SwitchBot 防犯ブザー」のキーホルダーの部分がブザー本体から離れると、ブザー音が発せられると共に、LEDライトが点滅し、SwitchBotアプリと緊急連絡先に登録したメールアドレス宛に「アラートが発動した」旨が通知されます。緊急連絡先は複数登録できるため、SwitchBotアプリを使っていない人にも連絡がいきます。
警報は大きな音で鳴りますが、既にご紹介の通り「SwitchBot 防犯ブザー」は単体でのデータ通信に対応していません。そのため、警報が発出されたことを通知するためには、防犯ブザーの近くにスマートフォンまたはSwitchBot ハブがあることが条件となってきます。子どもがスマートフォンを持っていないことを前提とすれば、警報が出されたあと、すぐのタイミングで通知を受け取りできるかは不確定な要素もあります。
また、「SwitchBot 防犯ブザー」の緊急警報を受け取った側でわかるのは「SwitchBot 防犯ブザー」が鳴ったことと、アラートが発せられた時間と場所のみのため、アラートが誤操作によるものなのか、実際に何か危険な状況が発生したのかを正常に把握するためには、別の通信手段を使い、音声・ビデオ通話なりで確認が必要です。
なお、警報機能にはサイレントでの警報機能もあり、防犯ブザー本体のボタンを5秒長押しすれば、ブザーやライトの点滅なしにサイレントで警報を発することができます。もろもろの条件を考慮すると、スマートフォンを日常的に持たない年齢の子どもの「緊急事態を把握する」目的で使うのは、やや心許ないように感じます。
ここで、ソフトバンクから発売されている「みまもりGPS」(旧:どこかなGPS)と比較してみると、「みまもりGPS」はデバイス自体がGPSによる位置測位とモバイル通信対応しているため、デバイスを持つ人や取り付けした人の現在位置と移動履歴を確認できますが、「SwitchBot 防犯ブザー」は単体でのモバイル通信機能を備えていません。
「SwitchBot 防犯ブザー」はAppleの「探す」ネットワークに対応はしていますが、同ネットワークのハブになるデバイスを持つ保護者などが付近にいない場合には、精緻な位置情報を確認するのはどうしても難しい課題がありますし、警報(SOS)が発信されても、「SwitchBot 防犯ブザー」だけでは、詳細な状況を確認する術がありません。どちらかと言えば、「子どもの現在地を常時確認する」というよりも、スマートロックを導入していない家のカギなどに取り付けして、カギが手元に見当たらない場合にカギを探すなど、「モノ」を探す用途が適しているように思います。
ただし、運用コストで比較すれば「SwitchBot 防犯ブザー」は実売価格が約3,000円の買い切りで月額料金が発生しないため気軽に使えることと、自宅の鍵に「SwitchBot スマートロック」などを導入済みの場合は、それらの製品と組み合わせで便利に使える点は見逃せません。
筆者の環境では、SwitchBot ハブ2を設置してオートメーションのテスト自体は成功しましたが、防犯ブザーとの接続はうまく設定できず、現時点で正常に動作するかどうかは確認できていません。現状では、スマートロックの通知によって「カギが解錠されたこと」はわかりますが、「誰が、どの方法で解錠したのか」まではアプリを開かないと確認できない状況です。
しかし、防犯ブザーとハブが正式に連携できるようになれば、「どの防犯ブザーを持った家族が帰宅したのか」に応じて通知を分けられるようになると考えられます。アプリを起動しなくても誰が帰宅したかを即座に把握できるため、複数の子どもにブザーを持たせて見守りたいといった家庭でも大きな安心につながるでしょう。
現状ではまだ実現できませんが、今後こうした仕組みがサポートされれば、家庭内オートメーションの利便性と安心感はさらに高まるはずです。実際に使えるようになる日を期待したいところです。








