ニュース

WHILL、カーボンで軽量化した「Model C Lite」 折畳みでオムニホイール採用

WHILLは、新型パーソナルモビリティ「WHILL Model C Lite」を発表した。折り畳み可能なフレームにカーボンファイバー素材を採用して大幅に軽量化したほか、前輪にオムニホイールを採用して走破性を高めた。価格は468,000円(福祉機器のため非課税)。

帝人と共同開発したカーボンファイバーの成形フレームを採用。航空機や自動車向けにも使われる炭素繊維複合材「Sereebo P」をパーソナルモビリティ向けに応用し、必要な強度を確保しながら車体重量を抑えた。

今回使用するカーボン材料には100%リサイクルされた炭素繊維を採用。軽さと強度だけでなく、環境負荷にも配慮した素材設計としている。

WHILL Model C Lite
カーボン成形のフレーム

同社では従来から折り畳み可能なエントリーモデル「Model F」を展開しているが、折り畳む事は可能でも重量が24kg(バッテリー除く)あり、高齢の女性などが自力でクルマに積み込むには課題があった。また、前輪がキャスタータイプの車輪で、サスペンションも搭載されていなかったことから、段差などでの走破性も課題だった。

Model C Liteは、カーボンファイバーを各所に採用することで重量を18.6kg(従来比22.5%減)に抑え、車載性を向上した。車載時に「てこの原理」を応用して積み込みをアシストするオプション「らくらく車載アタッチメント」も用意する。

らくらく車載アタッチメント
アタッチメントを先に車内に接地させ「てこの原理」によって軽い力で車載できる

また、前輪に上位モデルの「Model C2」などにも採用されている「オムニホイール」を採用。Model C Liteではより小型軽量化したものを搭載し、5cmの段差(Model Fは3.5cm)を乗り越え可能になるなど走破性を高めている。

オムニホイール

サスペンションについては、前輪は機械式、後輪は柔軟性のある板状のカーボンを活用した「カーボンブレードサスペンション」を採用。シートには旅客機の客席に採用されているものと同等製品を採用し、乗り心地を向上している。

前輪サスペンションは機械式
後輪は「カーボンブレードサスペンション」を採用
シートは旅客機の客席にも使われるクッション性の高いものを採用
アームレストは可動式。乗り込み時に下げておくことで乗りやすくできる

バッテリーは標準バッテリーのほか、オプションで2倍の容量となる大容量バッテリーも用意。航続距離の不安も解消する。標準バッテリーの価格は65,000円。大容量バッテリーの価格は85,000円。折畳み機構も改良し、片手で展開が可能。その他のスペックは、走行可能距離約23.4km、最高速度は6km/h。登坂能力は10度。

高齢者や歩行に不安を抱える利用者の場合、自宅周辺だけでなく、自動車で移動した先でもパーソナルモビリティを使いたいという需要がある。一方で、車体が重いと家族や介助者が車に積み込む際の負担が大きい。

Model C Liteは、折りたたみ機構と軽量化を組み合わせることで、こうした「移動先まで持っていく」使い方を想定した。

従来の折畳みモデル「Model F」は併売される

WHILLは、近距離移動向けのパーソナルモビリティや施設向けモビリティサービスを国内外で展開。現在は売上高の80%以上を海外が占め、空港や商業施設などでの導入を広げているという。

事業は、個人向けのモビリティ販売に加え、施設などで一時利用できるレンタルサービス、自動運転を活用した移動サービスが柱。レンタルは世界で年間約20万回利用され、日本国内では約200カ所で展開している。自動運転サービスも世界約30拠点まで広がり、累計乗車回数は約100万回に達したとしている。

同社は高齢化や生産年齢人口の減少を背景に、歩行領域や施設内などの近距離移動需要が今後さらに高まるとみており、ハードウェアの販売だけでなく、修理や保険などの付帯サービス、施設システムとの連携を含めた事業拡大を進めている。