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生涯学習のユーキャンがデジタル集音器参入 高音域を補う「テルマホン」

生涯学習のユーキャンは3日、耳穴をふさがないデジタル集音器「テルマホン」を発売した。価格は39,800円で、同社の通販サイトで販売する。カラーはスマートグレーとブロンズゴールドの2色。

ユーキャンは資格取得、通信教育のイメージが強い一方、通販事業では約15年にわたり集音器やテレビ用お手元スピーカーなどを扱い、聞こえ関連商品の累計販売件数は約40万件を超える。こうした販売経験を背景に、テルマホンでは70~80代でも使いやすい装着性や操作性を重視した。

一連の販売を通じて、「会話を聞き返すことが増えた」「テレビの音量が大きくなった」といった聞こえに関する悩みに接してきたという。ユーキャン ウェルビーイング事業部の原氏によると、補聴器を使うほどではないと感じている人や、耳の中に機器を入れることに抵抗がある人、複雑な機器の操作に不安を感じる人を想定したという。

ユーキャン ライフ&カルチャー事業本部 ウェルビーイング事業部 統轄マネージャ 原 孝之氏

こうした背景から、テルマホンでは「聞こえること」だけでなく、「無理なく使い続けられること」を重視。耳穴をふさがない装着方法や、スマートフォンを必要としない操作性を採用した。

テルマホンは、耳の中に差し込まず、耳の外側に沿わせて装着する集音器。耳穴をふさがないことで圧迫感や閉塞感に配慮し、耳かけアームにはチタン素材とゴム系エラストマーを採用。耳への負担に配慮しながら、装着しやすい設計とした。メガネをかけた状態でも装着でき、本体重量は左右それぞれ約17g。

ブロンズゴールド
スマートグレー

70~80代の利用を想定し、操作時にスマートフォンや専用アプリを必要としない設計とした。電源を入れたケースから本体を取り出して耳に装着し、音量を調整するだけで使用できる。音量は付属の「充電リモコン付ケース」と本体の双方から変更でき、使用後はケースに戻して充電する。両耳での使用を想定するが、片耳のみでも利用可能。

本人の利用に加え、両親など家族への贈り物としての利用も想定している。

充電リモコン付ケース

開発には、テルマエンジニアリングが協力。技術面では、空気を介して鼓膜へ音を届ける「空気伝導」に加え、耳珠(じじゅ)を介して音の振動を伝える「耳珠伝導」を採用する。スピーカー外周に配置したシリコン製の「サウンドフィルター」が耳珠付近に接し、2つの経路から音を届ける仕組み。

テルマエンジニアリング 代表 中島照正氏

加齢による聞こえの変化では、「さ」「た」「か」「は」などの子音に関わる高音域が聞き取りにくくなるという。テルマホンでは、こうした子音の聞き分けに関係する2~6kHz付近の周波数帯をデジタル技術で補い、「ひろい」と「しろい」などの言葉を聞き分けやすくする設計とした。

なお、英語は高音域を含む子音が言葉の聞き分けに影響しやすく、聞こえの変化を比較的早く自覚しやすいという。日本語ではその影響に気付きにくく、補聴器や集音器を使い始める時期が遅くなる傾向があるとしている。

人の耳は耳介(じかい)で周囲の音を集め、耳の凹凸で反射させながら耳穴へ導いている。テルマホンでは、耳とスピーカーの間にわずかな空間を設けることで耳介の働きを生かしつつ、耳珠付近にも振動を伝える。空気伝導と耳珠伝導を組み合わせることで、耳穴をふさがずに音を届ける構造とした。

開発で特に苦労したのがハウリング対策という。集音器は小型化するほどマイクとスピーカーが近づき、マイクの感度やスピーカーの音量を高めるとハウリングが起きやすくなる。テルマホンでは、サウンドフィルターによってスピーカーから出た音がマイクへ入りにくい構造とし、デジタル処理も組み合わせて対策した。

本体についても小型化そのものを優先せず、高齢の利用者が指でつかみやすく、装着しやすいサイズを選択。中島氏は、性能や装着性を重視した結果、現在の大きさになったと説明。

音量ボタンも大きく設置

突然の大きな音を自動的に小さくする機能も搭載する。また、耳穴をふさがない構造とすることで、食事中のかむ音などが耳の中で響く閉塞感を抑えたという。

最大音響利得は45dB、連続使用時間は音量4の場合で約10.5時間。ケースと左右の集音器の満充電には約3.5時間かかる。充電用端子はUSB Type-Cで、バッテリー容量は集音器本体が150mAh、ケースが1,400mAh。なお、医療機器(補聴器)ではなく、日常生活での聞こえをサポートするためのデジタル集音器として開発された。

装着イメージ

現時点で販路はユーキャン通販のみ。同社通販ではテルマホンについて商品到着後8日以内であれば試用後の返品も受け付けており、聞こえ方や装着感を確認したうえで購入を判断できる。スマートフォンや専用アプリを必要としないため、本人の利用だけでなく、両親など家族への贈り物としての需要も想定する。