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みずほ、挑む企業の法人口座「UPSIDER BANK」 利便性と成長支援を両立

みずほフィナンシャルグループとUPSIDERホールディングスは6月30日、法人向け金融サービス「UPSIDER BANK by MIZUHO」を提供開始した。法人口座やインターネットバンキング、法人カード、資金調達などを一体で提供し、創業期・成長期の企業を支援する。

UPSIDER BANK by MIZUHOは、法人口座を起点に、低廉な振込手数料、資金調達、人材・スキルマッチングなどを組み合わせた法人向け総合金融サービス。みずほ銀行の連結子会社で法人カードなどを展開するUPSIDERが連携し、創業期・成長期の企業が、事業拡大の過程で直面する課題に対応する。

みずほ銀行が長年培ってきた法人取引の知見や顧客基盤に、UPSIDERのテクノロジーやAIを活用したソリューションを組み合わせることで、利便性やコスト面に加え、資金調達、業務効率化、人材不足といった成長過程の課題まで一体的に支援する。

ユーザーは、契約料・月額利用料0円のインターネットバンキングや、業界最安水準とする他行宛振込手数料100円を利用できる。また、最短即日の法人口座開設、UPSIDERが提供するAI与信枠最大10億円の法人カード、オンラインでの資金調達サービス、専門人材とのマッチングサービスなどを、事業の成長段階に応じて利用できる。

同サービスは、対象ユーザーや提供機能を順次拡大していく予定。開始時点では、法人口座開設、インターネットバンキング、法人カード、オンライン融資などを中心に提供し、その後、さらなる融資サービス、経理・会計関連サービス、各種情報提供サービスなどとの連携を拡充する。

利便性と成長支援の両立を目指す金融サービス

発表会には、みずほフィナンシャルグループ 取締役 兼 執行役社長 グループCEOの木原正裕氏、みずほ銀行 取締役頭取の加藤勝彦氏、UPSIDERホールディングス 代表取締役社長の宮城徹氏が登壇した。

左から、みずほ銀行 取締役頭取 加藤勝彦氏、みずほフィナンシャルグループ 取締役 兼 執行役社長 グループCEO 木原正裕氏、UPSIDERホールディングス 代表取締役社長 宮城徹氏

代表挨拶として登壇した木原氏は、UPSIDER BANK by MIZUHOの提供に至った背景を語った。木原氏は、日本が新たな地政学レジームの到来や労働人口の減少、AIの登場といった大きな転換期を迎えており、国内の競争力や産業の自律性を高める必要があると指摘した。

その鍵となるのが中堅・中小企業の成長であり、同社はこの領域の支援に本格的に注力するという。これまでもUPSIDERとは「BLUE DREAM FUND」などを通じて連携し、大企業向けの支援ノウハウを中小企業へ展開してきたが、今回の新サービスによって中堅・中小企業の挑戦と成長をさらに力強く支えていくという。

続いて宮城氏は、UPSIDER BANK by MIZUHOが目指すありかたについて説明した。成長意欲のある企業は、取引先や社員が急増するため、口座管理や1つ1つの手続きが大きな負担となる。従来の中小企業向け金融サービスは、手数料が安く利便性が高い一方で融資などの成長支援に乏しいものと、手厚い成長支援を受けられる一方で手数料が高いものに分断されていた。

そのため企業は、成長ステージに応じて銀行を乗り換える必要があり、業務プロセスの変更や信用情報の再構築といった負担が生じていた。UPSIDER BANK by MIZUHOでは、オンライン完結の利便性と、みずほの支援体制、UPSIDERのAI与信技術を組み合わせることで、これまで両立が難しいとされてきた利便性と成長支援の双方を提供するサービスだと説明した。

UPSIDER BANK by MIZUHOの具体的な概要については、加藤氏と宮城氏が解説した。両氏が解説のなかで強調したのは、企業の成長段階に応じて、必要な資金を切れ目なく提供する体制だ。

まずは、創業期の企業に向けて来店不要の「創業支援融資」を提供する。続いて、UPSIDERのアカウントを持つ所定の条件を満たしたユーザーに対し、オンライン完結で最短2営業日、最大1.5億円を融資するサービスを展開する。

さらに、2027年春からは、みずほ銀行による最大3億円規模のオンライン融資を提供する。より成長が進んだ企業に対しては、両社が共同で運営する「BLUE DREAM FUND」を通じて最大10億円の融資を行なうなど、各成長ステージに応じた資金供給を進める。

資金調達以外の領域では、外部の専門人材を活用して業務効率化や生産性向上、内製化を支援する人材マッチングサービス「みずほココナラ」なども順次提供を広げるという。

両社は、こうした取り組みを通じて、30年度までにオンライン融資の累計実行額5,000億円、アクティブな口座の獲得数10万口座を目指す。加藤氏は、今回の取り組みにより創業期から成長期の企業を支える新たな体制が整ったとし、企業のライフサイクル全体に寄り添いながら、持続的な成長を支援していくと語った。

質疑応答では、UPSIDER BANK by MIZUHOの強みについて、将来のキャッシュフローを分析し、24時間体制で融資判断につなげるAI与信などにより、利便性と成長支援をスピード感を持って提供できることが強みだと説明された。

AIを活用した融資については、段階的に導入していく方針も示された。27年春に提供を予定しているAI融資は、既存のAIモデルとUPSIDERのノウハウを組み合わせたハイブリッド型となり、最終的な融資判断には人が介在する仕組みとする。

質疑応答の場では、その先の構想も飛び出し、既存の審査手法と併用しながら慎重に学習を重ね、28年春には完全なAI審査モデルへの移行を目指すという。