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AWSが描くAIエージェント時代 OpenAIと回す革新の輪
2026年6月25日 16:05
AWSは25日、最新のクラウドとAI技術を紹介するイベント「AWS Summit Japan」を幕張メッセで開催した。基調講演には、AWS ジャパン 代表執行役員社長の白幡晶彦氏や、OpenAI Japan 代表執行役社長の長﨑忠雄氏、Amazon Web Services コンピューティング・AI・サービス基盤担当シニアバイスプレジデントのデイブ・ブラウン氏らが登壇した。
冒頭で白幡氏は、クラウドストレージ「Amazon S3」の提供開始から20年の節目を迎え、AWSがAIエージェントを強力な駆動力とする新たな技術革新のフェーズに入っていると説明。同社の成長を支えてきたのは、開発者がイノベーションを起こし、そのフィードバックによってサービスが進化し続ける「フライホイール」の仕組みにあると述べた。
現在、このフライホイールを回す最も強い力がAIエージェントであり、AWSはAIエージェントの稼働を支える、安全なインフラを提供していくとした。
また同氏は、AWSが変わらず重視してきたものの1つとしてセキュリティを挙げた。AIを安心して活用するには、適切なガードレールが機能する基盤が不可欠であり、こうした基盤を提供できることがAWSの強みだと説明した。
多様な選択肢と高い信頼性を保ちながらテクノロジーの民主化を進めることで、AIを用いた開発におけるフライホイールの1周は、数カ月から数日へと短縮されるという。こうした取り組みは顧客体験の向上や、Amazon Leoなどの新たな取り組みにつながるものだとした。
日本市場については、顧客が求める高い信頼性水準に応えるため、クラウドインフラに対して2027年までに累計約3.8兆円の投資計画を進めているという。白幡氏は、変化の中でも変わらない価値を守りながら、AIエージェントを稼働させるセキュアで信頼できるクラウド基盤を、これからも提供し続けると語った。
AWSジャパンの前社長でもあるOpenAI Japanの長﨑氏は、AWSとのパートナーシップについて説明した。AWSとOpenAIは25年11月に複数年にわたる戦略的パートナーシップを締結しており、26年4月にはAWS上で最新のOpenAIモデルが利用できるようになった。
長﨑氏によると、AIの進化により、OpenAIのモデル開発のサイクルは15カ月から1カ月半へと大幅に短縮されているという。この中核を担っているのが「Codex」で、日本におけるCodexのユーザー数は米国に次ぐ世界第2位の規模まで成長しており、日々の業務を変革しているとした。
また、AWSの「Amazon Bedrock」で利用できるOpenAIの最先端技術として、OpenAIのフロンティアモデルやCodex、OpenAIを活用したAmazon Bedrock Managed Agentsの3つを紹介した。
同氏は、AWSの強固なインフラストラクチャとOpenAIの最先端AIモデルを組み合わせることで、より速いスピードでイノベーションを創出できる環境が整うと説明。AWSのインフラ上でこれらのエージェントを活用してほしいと呼びかけた。
続いて登壇したAmazon Web Servicesのデイブ・ブラウン氏は、6月17日(米国時間)に開催された「AWS Summit New York 2026」で発表されたものを中心に、業務、開発、セキュリティのための各種AIエージェントと、AIエージェント構築を支援するAWSのサービスについて説明した。
業務向けエージェントに関しては、現在の働き方が多数のツールや分断された情報によって阻害されており、作業のたびに文脈が途切れていると指摘。本当に必要なAIは、1つの質問に答えるだけで文脈を忘れてしまうものではなく、働き方そのものを変えるAIだと語った。
この課題を解決し、分断された情報やコミュニケーションをつなぎあわせて働き方を変えるものとして「Amazon Quick」を紹介した。同サービスはすでに多くの組織で採用が進んでいるという。
開発向けエージェントにおいては、人間のベースラインを超える成果を出し、継続的な開発ループを回す重要性が語られた。コードを正しく記述するためのソリューション「Kiro」や、開発したコードを素早く本番環境へと適用し価値を提供する「Release Management」、システムの老朽化による技術的負債を防ぐ「Continuous modernization」のプレビュー提供を発表した。
これらの機能がシームレスに連動することで、コード生成から本番適用までのプロセスを途切れなくつなぎ、継続的な開発サイクルを実現できるとする。
セキュリティ向けエージェントとしては、システム環境におけるテレメトリ、コンテキスト、推論、アクションを包括的にカバーし、開発スピードと安全性の両立を支援する「AWS Continuum」を紹介。
同サービスでは、急増するバックログに対応するための脅威モデリング機能「Threat modeling」のプレビュー提供を開始したほか、コードの脆弱性を自動で検知して修正案を提示する「Code vulnerabilities」も発表した。
これらの機能は、まずは人間が確認しながらAIが学習していくモードを備えており、セキュリティリスクを早期に発見・解消することで、安全な開発サイクルを支援する。
ブラウン氏は、企業が独自のエージェントを本番環境で構築・運用するための方法についても言及。組織のビジネスに最適化されたエージェントは、組織自身が構築する必要がある一方で、本番環境でのエージェント構築には依然として難しさがあると説明し、こうした構築を支援する基盤として「Amazon Bedrock AgentCore」を紹介した。
また同氏は、実用的なエージェントを実現するには、AIモデルに加え、モデルを機能させる土台となるハーネスや、企業ごとの状況を反映するコンテキストを組み合わせる必要があると説明。ハーネスについては「AgentCore harness」を挙げた。
コンテキストに関しては、最新の公開情報を取得する「Web Search on AgentCore」の一般提供を発表したほか、企業内に散在する非構造化データを接続する「Amazon Bedrock Managed Knowledge Base」、構造化データにセマンティックな意味を持たせて統合する「AWS Context」を紹介した。AWS Contextは近日公開予定としている。
ブラウン氏は最後に、AIの進化により推論が最大のワークロードになりつつあると指摘。この膨大な推論タスクに対し、最高のパフォーマンスとセキュリティを提供するため、AWSはAmazon Bedrockをはじめとするインフラへの投資と最適化を継続していくと語った。
同氏は、AIの登場などによる変化をチャンスとして捉えるべきだと述べ、開発者に向けて「GO BUILD」というメッセージを送り、講演を締めくくった。
































