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九州大学箱崎キャンパス跡地に日本最大級のスマートシティ

「イノベーションコア」街区のイメージパース

住友商事を代表企業として8社で構成する企業グループが、九州大学および都市再生機構九州支社による「九州大学箱崎 キャンパス跡地地区 土地利用事業者募集」における土地利用事業者に決定した。2028年度のまちびらきを目指す。

住友商事、JR九州、西部ガス、清水建設、大和ハウス工業、東急不動産、西日本新聞社、西日本鉄道が参画する、日本最大級のスマートシティ開発をうたうまちづくり計画。九州大学の歴史と広大な敷地を活かし、多様な人々が集まりイノベーションを生む拠点を目指すとともに、「FUKUOKA Smart EAST」の理念に基づく、伝統と革新を融合するとしている。所在地は福岡県福岡市東区箱崎六丁目ほか、面積は約28.5ha。

FUKUOKA Smart EASTは、少子高齢化などの課題を解決しながら持続的に発展していくため、先端技術の導入などによる、快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出を目指す取り組み。先駆けとして箱崎のまちづくりで推進し、その後全市に広がり、さらに市を超えていくという構想を描く。

計画地の箱崎では、1911年に九州大学の前身である九州帝国大学が開学。100年以上にわたり受け継がれてきたが、大学施設は2005年から2018年にかけて順次伊都キャンパスへ移転した。

跡地利用事業のコンセプトは「HAKOZAKI Green Innovation Campus」。IOWN構想を取り入れ、常に新しい価値観や技術を取り入れたスマートサービスのアップデートや新サービスを創出できる環境を構築。様々なスマートサービスを統合・連携させることで、より適切なサービス提供につなげ、未来のスマートシティモデルの実現を目指す。

施設としては、住宅、商業施設、医療・福祉施設、学校など教育施設、業務・研究施設、公園・広場などを整備する。

まちづくり方針として「九州大学100年の歴史の継承」「福岡の文化・1000年の歴史の継承」「新産業の創造と成長」「環境先進都市の創造と成長」「みどりあふれる空間の創出」「新しいライフスタイルの創出」の6つを掲げる。

スマートサービスについては、生活の質、空間の質、仕事の質のそれぞれを向上させることで「人生の質」を高められるよう、「一人ひとりに最適なサービス」を提供するとしている。それを実現するため、スマートサービス・情報のハブとなるタウンポータルを提供。あわせて、利用者の属性やニーズなどのデータを利活用可能なデータ連携基盤を核とした仕組みの構築、IOWNによる情報通信インフラの高度化を計画している。

土地利用計画については、共同住宅の「サウスリビングゾーン」「ノースリビングゾーン」、商業を中心とした「ウェルカムゾーン」、医療・福祉施設の「ウェルネスゾーン」、教育の「ナレッジゾーン」、業務・研究の「ゲートゾーン」「イノベーションコア」でゾーニング。各ゾーンの特性を踏まえた5つのストリートを歩行者の主要動線とし、まちの回遊性を高める歩行者ネットワークを形成する。

土地利用ゾーニング
サウスリビングストリートイメージ

周辺からまちにつながる結節点には街角広場を整備。また、最新テクノロジーやスマートサービスの体験などによりコミュニティを育むスマートステージ(にぎわい空間)を整備する。

交流広場イメージ

みどり空間の構築も進め、まち全体で緑化率40%、総樹木本数10,000本以上を確保。アイレベルからの緑量を増やしながら建物屋上まで緑をつなぎ、立体的な緑空間とする。

立体的な緑化イメージ

街並みは、基壇部と高層部の形成による、アイレベルからみた九州大学時代の景観を継承する。また、九州大学時代の建物色調を活かした色彩計画および外壁素材の選定を行なう。

九州大学と調和する基壇部の形成
九州大学カラーパレット例

交通については、路線バス、オンデマンドバス、タクシーなどが乗降できる交通広場を整備。シェア型モビリティの乗換え場所として、モビリティハブを交通広場と駅前の3カ所に、モビリティポートをエリア内14カ所に設置する。

スケジュールは、第1期まちびらきが28年度で、住宅、商業施設、多世代交流施設、イノベーションコアが開業予定。イノベーションコアには、生鮮マーケット、フードホールを備える、約30店舗の飲食店、客席数約1,500席のフードパークを整備する。その後、順次開発を進め、36年度に現計画のすべての施設完成を目指す。