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首都圏の「クレカ乗車」相互直通運転がスタート 所沢から中華街まで“タッチ”

3月25日、東京メトロや東急電鉄、小田急など、関東の鉄道事業者11社局において、クレジットカードのタッチ決済乗車(クレカ乗車)で「相互利用」がスタートした。これにより、例えば東急の駅から乗車し、東京メトロの駅で降車するなど、路線をまたいだクレカ乗車利用がスムーズに行なえるようになる。

対象となる鉄道会社は、小田急電鉄、小田急箱根、京王電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道、西武鉄道、東急電鉄、東京地下鉄(東京メトロ)、東京都交通局(都営地下鉄)、東武鉄道、横浜高速鉄道。鉄道事業者11社局54路線729駅を対象とした相互利用が実現する。

クレジットカード(デビット・プリペイド含む)を使った後払い乗車サービスを11社局が導入し、相互接続に対応。西武池袋線 所沢駅で乗車し、みなとみらい線の元町・中華街まで乗車する場合は、西武、東京メトロ、東急の各線を使うこととなるが、クレカ乗車でタッチして入場し、そのまま退場できるようになる。

また、京急の羽田空港第3ターミナル駅から都営浅草線の浅草駅といったインバウンド利用の多い路線でも、切符の購入やICカードの購入等が不要で、渡航者が自身のクレカで乗車できるようになる。

今回の相互利用にあわせて、改札外乗り換えでも、60分以内であれば乗り換えの割引運賃対応とするなど、交通系ICカードと同様の対応を実施している。

なお、クレカ乗車と定期券など他の乗車券との併用は不可。また、利用可能エリア外への乗越しはできず、その場合は、降車駅での運賃精算と別途乗車した鉄道事業者の対象駅で、クレカの入場履歴処理と運賃精算も必要となる。

対応するカードの国際ブランドは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯。乗車履歴と料金は、QUADRACのQ-moveサイトから確認できる。

なお、クレカ乗車は大人普通旅客運賃のみ。子どもについては、ICカードや切符での対応を想定しているが、これは現時点では子どもがクレジットカードを持つ機会が少ないと判断しているため。また、定期券などの対応についても、対応するかどうかもふくめて未定で、利用状況等を見ながら判断していく。

相互直通運転の実現のため、各路線網への対応や改札外乗り換えなど、複雑な運賃計算上の課題を11社局とオムロン ソーシアルソリューションズにより対応。プラットフォームとして三井住友カードのstera transitを活用する。

世界屈指の都市鉄道網を支える「連携」

東急電鉄の伊藤 篤志鉄道事業本部長は、首都圏の鉄道各社が利用者の利便性向上を目的として、長年にわたって連携を続けてきた歴史について説明。複雑なダイヤ調整や車両の規格統一に加え、手動の切符販売から自動改札機、プリペイドカード、ICカードへと時代にあわせて進化するなど、事業者間の連携が「日本の世界屈指の都市鉄道網を支える鍵となった」と振り返る。

東急電鉄 伊藤 篤志 鉄道事業本部長

そのうえで、近年の決済手段や乗車スタイルの多様化にあわせた対応として、クレカ乗車を位置づける。特に海外からのインバウンド利用にとって、カード1枚で乗車できるシンプルさは価値になると説明。11社局の協力で実現できたサービスであると語った。

なお、首都圏の主要な鉄道会社では、JR東日本および京成電鉄が不参加となっているが、この対応は各社判断としている。

11社局でのクレカ乗車の利用数の目標は設定していないが、「総合的に乗車が増えればいいと考えている」とのこと。東急電鉄の場合は、PASMO等のICカード比率が98%でその他は2%。その中の一部がクレカ乗車とのこと。クレカ乗車の利用目標は無いが、紙の切符を減らす効果には期待しているほか、ICカードを忘れたのでクレカで乗車するなど、利用者の選択肢拡大にもつなげていきたいとした。

また、改札機についても多くの駅では改札口に1つのみというケースが多いが、これも利用状況に応じて判断していく。例えば、東急電鉄/東京メトロの渋谷駅 ヒカリエ2改札口では改札機の更新にあわせて2台にしている。