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Suicaから「クレカ乗車」に切り替えた 一週間でわかった(人間の)課題
2026年4月4日 09:00
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首都圏の大手私鉄や地下鉄において、「クレカ乗車」の相互直通運転が始まりました。
3月25日から、東京メトロや東急電鉄、小田急など、関東の鉄道事業者11社局が、「相互利用」できるようになり、例えば東急の駅から乗車し、東京メトロの駅で降車するなど、路線をまたいだクレカ乗車利用がスムーズに行なえます。
筆者の通勤経路も私鉄→都営地下鉄で、JR東日本よりは地下鉄と私鉄利用が多い環境です。そのため、この機会に仕事での移動をクレカ乗車に切り替えてみようと1週間ほど使ってみました。が、結論から言うと「まだ切り替えは難しい」と判断しています。そのあたりを軽くまとめてみました。
クレカ乗車移行を進めたきっかけは、会社の「交通費精算」で個人/会社のSuica利用が混在しているので、会社利用をクレカ乗車に統一できないか? というものでした。
そのため相互直通運転開始の1週間ほど、仕事での電車利用はクレカ乗車にしてみました。SuicaやPASMOと比べると改札ゲートの反応は若干遅いものの、実用上は問題ありません。少し気になるのは、対応の改札数が少なく、一番利用者が多い改札機のみがクレカ乗車対応という場合が多いため、“待ち”が発生することがあること。
Suicaであればどのゲートを使ってもいいのですが、クレカ乗車の場合、対応改札がほとんどの駅で"ひとつ”なので、退場したい場合でも、入場者が来た場合は、その人の通過を待つことになります。また、駅員が乗客対応していて改札ゲートを使いにくい、といったケースもありました。普段使っていない駅だとどこにクレカ乗車対応改札があるかわからない、といった点も少し気になりました。
もっとも、このあたりは使う前からわかっていたことではあります。
実際の交通費精算時に気になったのは、「運賃」です。
SuicaやPASMOの場合は、IC運賃となり「きっぷ」よりは若干安くなります。例えば都営地下鉄の大手町-神保町はきっぷは180円ですが、IC運賃だと178円です。やむを得ない場合であれば、この差額は別段問題になるわけではありませんが、「わざわざ高い方を選ぶ」ことには抵抗を覚えます。
また、弊社の交通費精算のシステムでは、デフォルトでIC運賃が表示されるので、きっぷ運賃に切り替える必要もあります。筆者の環境では、「交通費が高くなり、面倒が増える」という状況になってしまいました。そのため、積極的な導入は見送り、必要に応じてクレカ乗車を使おうと考えています。
そもそもクレカ乗車を忘れてSuicaで乗車することもあるので、結局、仕事と個人利用を分けるという試み自体が破綻している、というのが一週間でわかったことでもあります。
クレカ乗車というシステムの問題ではなく、人間側の問題なので、この解消は難しいのかもしれません……。
とはいえ、訪日客には便利な仕組みですし、ICカードを家や会社に忘れた場合でも、クレカで乗車できるなど、利用者の選択肢は確実に広がりました。もう少しよい使い方がないか、しばらく考えてみたいと思います。

