JAL、羽田と成田でトーイングカー完全無人化

羽田空港のトーイングトラクター(AiRO製)

JALは、東京国際空港(羽田)と成田国際空港の2空港において、自動運転レベル4(特定条件下での完全無人運転)に対応したトーイングトラクターの実用化を開始した。羽田・成田の主要2空港で同時にレベル4の実用化を行なうのは国内初。

トーイングトラクターの自動化については、これまで運転者が常時監視し、危険回避操作を行なう「レベル3」相当での運用が行なわれてきた。今回の取り組みでは安全性をさらに一段引き上げ、運転者を必要としない完全無人運転(レベル4)へ移行する。

JALは2018年から、国土交通省航空局が主導する「航空イノベーション」の推進に取り組んでおり、多くの航空機や特殊車両、地上作業員が混在する空港制限区域内(ランプエリア)での自動運転技術の実証を進めている。レベル4の実用化により省人化・効率化や電動車両活用による環境負荷低減を図っていく。

車両は空港の特性に合わせて2種類の車両と走行ルートを設定。羽田ではAiRO製トーイングトラクターを採用し、運用内容は貨物コンテナの搬送。走行ルートは貨物上屋間(東貨物地区～西貨物地区)となる。

成田ではTractEasy製トーイングトラクターを採用し、運用内容は受託手荷物の搬送。走行ルートは手荷物荷捌場間(第2旅客ターミナル本館～サテライト)となる。

成田空港のトーイングトラクター(TractEasy製)

今回の取り組みを皮切りに、今後はグランドハンドリング業務の効率化を加速。リモコン式航空機牽引機や自動機体洗浄機、ワンマン除雪車などさまざまな技術を掛け合わせながら、空港におけるオペレーションを安全かつ高品質に進化させるとしている。