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ウィキペディア、AI企業の"タダ乗り"に声明「適切なコスト負担を」

ウィキメディア財団は、AI時代におけるWikipediaの重要性に関する声明を発表。その中でAI開発企業に対しては、Wikipediaを使用した機械学習について適切な財政負担をするべきだとしている。

AIの生成コンテンツが増加するなか、人間が編集・検証しあって作り上げる知識の価値が高まっているとし、数十万人のボランティア編集者により支えられているWikipediaは、AIが単に要約や合成をするだけでは代替できない価値を提供しているという。

AIモデルの作成にはWikipediaに記されている人間の知識データは不可欠で、Wikipediaの情報によってAIの正確性と多様性が担保されているとしており、AIはWikipediaなしでは性能を維持できないと主張。AI開発者はWikipediaの情報利用に対して、適切な出典表示と財政支援を行なうべきだと意見を表明している。

また、Wikipediaにおいては、AIを人間の編集者の作業支援として活用。あくまでAIは人間に取って代わるものではなく、編集者がより本質的なコンテンツ制作に集中できるようにするためのツールとして位置づけている。

例えばWikipediaに対する荒らし行為の報告という日常的な作業についても、AIを活用することで作業を軽減する。こうした試みは、AIによるハルシネーション(幻覚)に警戒しながら、ボランティアがAIの責任ある利用指針を策定し、管理しているという。

財団では、有料APIサービスである「Wikimedia Enterpriseプラットフォーム」の利用をAI開発企業に呼びかけており、これによって企業はWikipediaのサーバーに負担をかけることなく、大規模かつ持続的にWikipediaのコンテンツを利用可能になるとしている。