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上野駅を「文化創造HUB」に再構築 26年春に大規模改修完了

JR東日本は、上野駅を「文化創造HUB」として再構築し、2026年春に駅空間の大規模改修を完了する。歴史や文化資源が集積する上野の地域特性を活かし、駅を起点とした共創型まちづくりを進める。

上野駅は、日本屈指の歴史・文化に触れられるまちの玄関口であり、古くから東京と各地を結ぶ「北の玄関口」としての役割も果たしてきた。JR東日本は、こうした立地や文化的背景を踏まえ、駅の“つなげる(HUB)”機能を強化。世代や国籍を問わず、すべての人が心の豊かさを感じられる駅づくりを目指す。

26年春には、ゼロカーボンメディア「UENO CANVAS」(約75m2)とショールーミング空間「UENO ZERO」(約225m2)をグランドコンコースに常設。光・音・映像が融合する新たな文化発信拠点とする。このほか、「上野広小路口ビジョン」「ポレイア広場」「PLATFORM13」「CREATIVE HUB UENO“es”」「パンダ橋」「ときめき広場」など既存施設と連動し、駅全体で多彩な文化体験を展開する。

駅とまちをつなぐデジタルサービスも拡充する。Suicaで改札を通過した情報と連動し、チケット購入サイト「JRE MALLチケット」上のイベントチケットをシームレスに購入可能とするほか、デジタルスタンプラリー「エキタグ」を通じて地域の文化施設を巡る回遊体験も促す。混雑状況の見える化など、アプリ連携による利便性向上も進める。

文化資産の活用では、猪熊弦一郎の壁画「自由」や、平山郁夫 原画・監修によるステンドグラス「昭和六十年春 ふる里・日本の華」の修復・再設置を実施。東京藝術大学との連携により、駅構内のアート作品を解説するツアーや案内サインも整備し、多言語やバリアフリーに対応した動画やマップを提供する。藝大生によるワークショップや音楽・パフォーマンス、映像掲出なども行ない、文化回遊体験を促す。

このほか、夕方以降の文化体験として「ナイトツアー」や「ナイトマルシェ」を実施。地域の事業者と連携し、アート鑑賞や伝統芸能、食文化体験などを組み合わせ、夜の上野の魅力を発信する。さらに「つながる産直市」では、鉄道輸送サービス「はこビュン」で直送した食材の試食や、地域の祭り・伝統芸能の体験機会も設け、地域との接点を拡大する。