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クマ避けスプレー搭載ドローン発売 日本初

Terra Droneは、クマよけスプレー搭載ドローンの販売を開始した。上空から唐辛子スプレーを遠隔操作で噴射する仕組みで、クマに接近することなく背後・側面からの全方位噴射が可能。

クマよけスプレーは、トウガラシ由来の辛味成分「カプサイシン」を主成分とする非致死的な防護手段。一般的な噴射距離は約5~10mで、カプサイシンが目・鼻などの粘膜に強い刺激を与えることで、人間の数千倍の嗅覚を持つクマを一時的にひるませ、突進や接近から退避する時間を確保する。北米の研究では、高い抑止効果が報告され、銃器より扱いの熟練依存が小さい点も評価されている。日本でも環境省や自治体のガイダンスにおいて、遭遇時の有効な最終防護手段として位置づけられている。

今後同社は、自治体を中心に販売を展開し、住民の安全確保や現場のリスク低減のため、持続的なクマ対策の仕組みづくりに貢献していく。

実際の運用では、地域の防災担当者らがドローンのオペレータを担当。ドローンのカメラ映像を見ながらクマと操縦者の距離を約500~1,000mに維持することで安全を確保できる。学習能力の高いクマに対して、人や市街地に近づくと強い不快な刺激があることを学習させて接近を阻止する。

ドローンの飛行時間は約10分。本体サイズは390×390×390mm。今後は改良を重ね、2026年3月を目処に、飛行時間を約75分に延長、赤外カメラ等を搭載した新モデルも開発する。