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クマ対策にドローン 石巻市で「第三のクマ対策」始動

Terra Droneは、宮城県石巻市とクマ出没時の被害防止に関する協定を結ぶ企業に対し、クマよけスプレー搭載ドローンの提供と運用支援を開始した。クマ対策における地方自治体と民間企業の具体的な連携は、同施策が全国初となる。

クマよけスプレー搭載ドローンは、Terra Droneが2025年11月に発売したもので、トウガラシ由来の辛味成分「カプサイシン」を主成分とするスプレーを備える。スプレーの噴射距離は約5mから10mで、人間の数千倍の嗅覚を持つクマの粘膜に強い刺激を与えることで、一時的にひるませて突進や接近から退避する時間を確保する。

今回の取り組みでは、石巻市と協定を結ぶ佐藤土木測量設計事務所がドローンの操縦・運用を担い、市と連携した現場対応を行なう。Terra Droneは支援を通じて、記録的なクマ出没が続く地域において、人手では対応しきれない部分を補完し、迅速かつ安全な体制構築に貢献するとしている。

背景には、クマによる人身被害が過去最悪の水準となる一方で、ハンターの減少や、警察・自衛隊は野生動物への致傷訓練に任務上の制約を抱えるほか、迅速な現場投入は難しい。加えて、地上からの追い払いは、人とクマが直接対峙する危険を伴う。ドローンを使うことで、クマから約500m~1km離れた場所から遠隔操作でスプレーを噴射し、オペレーターの安全を確保する。

Terra Droneは、人を介さず遠隔から迅速かつ安全にクマを追い払える手段として、同ドローンをハンターによる捕獲・追い払いや、警察・自衛隊など既存機関の対応に続く「第三のクマ対策」として、全国の自治体への展開を目指す。