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KDDI「販促より商品力」で増収増益 体験品質で成果
2025年11月6日 20:00
KDDIは、2026年3月期第2四半期の決算を発表した。連結売上高は前年同期比4.1%増の1兆5,268億円。連結営業利益は同2.9%増の3,046億円。当期利益は同18.6%増の2,066億円となり、増収増益を達成した。
これは、料金改定の効果が顕在化し、モバイルや金融、DXなど各事業が成長したためであり、過年度の販促費影響を吸収しながら、通期でのEPS目標達成に向け想定通りに進捗していると同社は説明した。
モバイル事業では、「つなぐチカラ」を軸にライフタイムバリュー(LTV)を意識した構造改革を順調に進展している。通信品質にこだわった積極的な5G基地局への投資やStarlinkとの連携拡大などにより、「つながる体感」価値を創出し、これらをセットにした新プランやサービスを提供することで訴求を強化している。
なお、KDDI代表取締役社長 CEOの松田浩路氏は、他社のように過熱気味な販促競争で真正面から競う考えはなく、商品(サービス)そのものの価値で選ばれることを目指すと語った。
au Starlink Directは8月にデータ通信を開始し、ユニーク接続数が約270万人、対応機種は76機種・約1,000万台まで拡大。また、混雑時の体感品質を高める「au 5Gファーストレーン」は利用者数が80万人を突破し、「au海外放題」も利用者数を大きく伸ばすなど、体感品質の向上が成果へつながっている。
モバイルARPUも堅調に上昇し、スマートフォン解約率も改善している。ブランド間移行ではUQ mobileからauへの移行が9月にプラスへ反転し、10月もこの流れが続いている。短期特典に依存する販売を見直し、長期利用と価値訴求を重視した方針転換が功を奏したといい、モバイル事業ではサービス改定による価値向上も含めて通期で300億円超の増益を見込む。
金融事業では、預貸率を意識した戦略へ転換し、通信と金融を束ねたプラン特典の強化に加え、SBI証券の取り扱い開始など銀証連携も広げる。auじぶん銀行の個人預金残高は前年の1.3倍へ拡大し、auマネ活プラン+の累計契約数は170万件を突破。au PAYゴールドカード会員も172万人に達し、通信と金融のエコシステム連携を強化している。










