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ポータブル電源にJIS規格、安全対応強化へ
2025年10月30日 20:15
日本ポータブル電源協会(JPPSA)は、ポータブル電源に関するJIS(日本産業規格)の制定を早ければ2027年春にも目指す方針であることを明らかにした。30日のEcoFlow Technology Japanの新製品発表会において説明されたもので、同社は同協会の理事企業として活動している。
同協会は、ポータブル電源の安全基準整備(JIS規格の制定)や普及促進を目的に、2024年11月に設立。モバイルバッテリーやポータブル電源などを販売する業界各社で構成された団体でアンカー・ジャパンを代表理事とし、EcoFlow Technology Japan、Jackery Japan、BLUETTI JAPANが理事を務める。
現時点でポータブル電源には製品単位でのJIS規格が存在せず、バッテリー部分であるセルパックにはPSE(電気用品安全法)認証があるものの、製品自体の統一基準は定められていない。同協会の入会審査基準として国際安全基準「IEC62368-1」を採用しているが、今後は専用の国内規格としてJISを策定し、危険性のある製品の流通や輸入の抑制を図るとしている。
この動きは、モバイルバッテリーなどで相次ぐリチウムイオンバッテリーの発火事故を背景に、消費者保護の観点から、経済産業省と連携して進められている。
回収体制の整備も課題
製品の回収体制についても整備が求められる。モバイルバッテリーでは事業者による回収が進んでおり、2026年4月からは回収義務が法的に課される予定となっている。一方、ポータブル電源は現時点で義務化されておらず、今後の法整備が焦点となる。協会の理事企業は自主的に回収を実施しているが、協会に加盟していないメーカーの製品については回収体制が確立されていないところもあり、課題が残る状況だという。
また、メーカーによる自主回収は「リサイクル品」として取り扱える一方で、廃棄物として処理する場合は、産業廃棄物処理業者との連携や広域認定制度への対応が必要となるが、現状でその免許を持つメーカーはいないとEcoFlow Technology Japan 危機管理対策部部長 長浜 修氏は話す。
同協会はこうした状況を踏まえ、安全性の確保と適正な回収体制の整備に向けて、月1回のペースで経済産業省や環境省と協議を重ねているという。


