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麻布台ヒルズがついに完成 高さ270m「レジデンスB」竣工

森ビルは29日、「麻布台ヒルズ レジデンスB」を竣工した。新たに970戸の住宅が加わり、東西南北の道路ネットワークや、地下鉄2駅を結ぶバリアフリー/アンブレラフリーの歩行者ルートも整備。同竣工により、約300名の権利者とともに35年以上にわたり進めてきた再開発「麻布台ヒルズ」が完成した。

麻布台ヒルズ レジデンスBは、東京都港区麻布台1丁目に位置する地上64階・地下5階建て、高さ約270m、延床面積約185,300m2の住宅棟。6階から64階に住戸970戸を備え、ラウンジやゲストルーム、スタディルーム、シアタールーム、ジム、キッズルームなどの共用施設を設ける。

13階から18階には家具付き短期賃貸「サービスアパートメント」も展開。なお、麻布台ヒルズの総住戸数は約1,400戸となり、アークヒルズや六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズといったヒルズのなかでも最大規模となる。

ロビーラウンジ
エントランス

2階から5階には約4,500m2(約1,360坪)の小規模オフィス「S-Office」が新設され、1区画9坪~32坪、全68区画を用意。一般的な貸室からハイグレードなセットアップオフィスまでそろえ、入居者専用のラウンジも備える。

地下1階から2階にはコンビニ「セブン-イレブン」やドラッグストア「サンドラッグ」、高級クリーニング「アルテフェロ」、保育・幼児教育施設「キッズガーデン プレップスクール」などの店舗・サービスも入居する。

基準階平面図
ラウンジ

竣工にあわせて周辺インフラの整備も完了した。麻布台ヒルズ周辺はこれまで、桜田通り・外苑東通り・麻布通りに囲まれながら東西を貫く道路が未整備で、南北方向の「尾根道」も外苑東通り側に抜けにくいなど、交通網の弱さが課題とされてきた。今回、すでにある「桜麻通り」に加えて「八幡通り」が完成し、東西の交通網の整備が完了した。

また、六本木一丁目駅と麻布台ヒルズを結ぶバリアフリー/アンブレラフリーの地下通路「セントラルウォーク」も完成。同通路は災害時の帰宅困難者受け入れスペースとしても機能し、麻布台ヒルズ全体で約3,600人が一時滞在できる約6,000m2のエリアを確保した。

麻布台ヒルズ周辺地図
八幡通り
セントラルウォーク

麻布台ヒルズは、約8.1haの敷地にオフィスや住宅、文化・商業施設などを集約した複合都市。開発コンセプトは「Modern Urban Village」で、約6,000m2の中央広場を含む約24,000m2の緑地を中心に、人が集まりやすい広場のような街づくりを掲げる。

規模は六本木ヒルズ級で、高さ約330mの「森JPタワー」をはじめ、ホテルブランデッドレジデンス「アマンレジデンス 東京」やアマンの姉妹ブランド「ジャヌ」のホテル、インターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」なども備える。

この再開発は、街づくり協議会が1989年に発足して以降、約300名の権利者と35年以上かけて進められた。2017年に都市計画が決定し、2019年に着工、2023年に開業した。その後も段階的に施設を稼働させ、レジデンスBの竣工により、麻布台ヒルズの街づくりが完了した。

麻布台ヒルズ
断面図