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NTT-ME、「コンテナ型」データセンター事業参入

NTT-MEは、短期間で構築可能な「コンテナ型データセンタ」事業に参入する。ブランド名は「JPDC AI Container」。

事業の第一弾として、北海道石狩市に約5万m2の土地を2025年内に取得し、「JPDC AI Container Village@石狩」としてプロジェクトを開始。1基目のコンテナ型データセンタは、最短で2027年4月の稼働開始を目指す。データセンターと都心部等の他エリアのデータセンターは、大容量・低遅延なIOWNのAll-Photonics Network(APN)で接続。単一のデータセンターと遜色ないオペレーションを実現する。

国内AI市場は、AI利用の急増に伴い加速度的に拡大し、年平均成長率は19.5%、市場規模は2028年には約2.8兆円とも言われている。一方で、こうしたAIを処理するために必要な高性能GPUサーバーを収容するデータセンターは国内には少なく、需要に追いついていないのが現状という。

こうした中、NTT-MEは、従来のビル型のデータセンターに比べて短納期で構築可能なコンテナ型データセンタ事業に参入する。

事業第一弾となる予定地の石狩は、様々な国内の事業者がデータセンターを建設する集積地。「北海道バレー構想」の中で産官学が一体となってデータセンターの誘致を進めているほか、行政が進めるワット・ビット連携の検討でも、将来的にデータセンターを都心から分散する際の地方の中核拠点として期待されている。

NTT-MEは、石狩エリアが今後もデータセンターの誘致や集積が期待され、IOWNの提供などを通じた収益化が見込めるエリアと期待したことから、事業の第一弾として選定した。

「JPDC AI Container Village@石狩」では、「Direct Liquid Cooling」(サーバーに冷却液を直接浸して冷却する仕組み)など最先端の水冷技術等を備えたコンテナ型データセンタを建設。コンテナ1基単位で提供し、要件定義・申し込み後、構築を開始する。ビル型よりも大幅に工期を短縮でき、1基目は最短で2027年4 月の稼働開始を計画している。

同地には最大14基を設置可能で、早ければ2032年にも、すべてのコンテナ型データセンタが立ち並ぶ見通し。

将来的には、狭いスペースでも1基単位での置局が可能なコンテナ型データセンタの特性を活かし、全国の空きスペースを活用することで、需要のあるエリアへの拡大に取り組む。他のエリアなどへの接続はIOWN APNを使うことで、単一のデータセンターと遜色ないオペレーションを実現していく。

コンテナ型データセンタの仕様は、受電容量2MW、ITロードは約1.5MW。ラックス数は最大40ラック、ラックあたり電力量は30kVA以上。UPSはN+1構成、非常用発電機はN構成、ネットワークはマルチキャリア対応。

また、事業で培った知見を活かし、2026年度にコンテナ型データセンタに関わるノウハウをNTT-MEが一元的に対応するワンストップソリューションサービスを提供。コンテナ型データセンタ事業を手掛ける事業者のエンジニアリングなどを下支えするサービスを提供する。