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ヤンマーとソニー、水中ROV開発で新会社「ヤンマーブルーテック」
2025年10月6日 11:57
ヤンマーホールディングスとソニーグループは、水中センシングに関する技術開発と、その社会実装を目的とした合弁会社「ヤンマーブルーテック株式会社」を9月8日付で設立し、10月1日から事業を開始した。ヤンマーホールディングスが90%出資する連結子会社で、資本金は3億8,830万円。
ヤンマーブルーテックは、海洋生態系の保全や海洋インフラ点検における人手不足問題など、海洋に関する様々な課題解決に向け、新たな技術やソリューションの創出に取り組む合弁会社。第一弾として、海中調査や船底洗浄作業で活用されるROV(Remotely Operated Vehicle:遠隔操縦無人潜水艇)の高度化と実用化に取り組む研究プロジェクトを起ち上げ、共同での技術開発と実証実験を進める。
近年では、船体に付着する生物が、船舶とともに移動することで、海洋生態系にもたらす影響が問題視されている。国際海事機関(International Maritime Organization:IMO)による法整備や環境規制により、海運業者も船体付着生物への対処が厳格に求められるようになっているが、現在はダイバーによる洗浄が主流で、人手不足や安全確保などが課題。
こうした事態をうけ、ヤンマーグループでは、高圧水噴射式で業界最高クラスの洗浄速度を実現する船底洗浄ROVや、デブリ(船体から除去した汚れ、付着生物など)をマイクロメートル単位でろ過回収できるデブリ回収装置の開発に取り組んでいる。
一方ソニーは、動体歪みのない高感度な撮影が可能なグローバルシャッター方式のイメージセンサーや、濁りや浮遊物など海中環境に適応した画像処理技術、リアルタイムでの自己位置推定技術などを有している。
プロジェクトでは、ヤンマーが開発するROVにソニーの要素技術を実装することで、水中映像の鮮明化や3Dデータ化、自己位置の把握など、従来よりも高効率なROV運用の実現を目指す。これにより船底洗浄作業を効率的にし、人に依らない安定した運用が可能な新たなソリューション展開につなげる。
