ニュース

渋谷区の相乗りタクシースタート 通常の半額・高齢者や妊婦に月8千円補助

渋谷区とGOによる、渋谷区デマンド交通実証実験が9月1日にスタートした。同日、出発式が行なわれた。

GOが運営するタクシー相乗りサービス「GOシャトル」を活用した実証実験。9月1日から26年3月31日まで実施する。

渋谷区としては、誰もが子どもを生み育て、高齢になっても快適に住み続けられる区の実現を目指した取り組み。高齢者や妊婦などの交通弱者に対して利用料の補助を行なうことで幅広い利用者の乗車を促進し、持続可能な公共交通のあり方を模索する。

運行エリアは、西は笹塚駅周辺、東は新宿駅・原宿駅・渋谷駅周辺で、笹塚、幡ヶ谷、初台、本町などを中心とした渋谷区北西地域在住者を対象に補助を行なう。

利用時は、GOアプリから乗降地と希望日時を選択して予約する。乗降地はあらかじめ決められた乗降スポット約700カ所。

予約手順
GOアプリの乗降スポットの表示

料金は通常のタクシー乗車時の約5~6割程度で、同乗人数に関わらず事前に確定する。渋谷区では、補助対象エリア内に在住の高齢者、障がい者手帳所持者、妊婦、子育て世帯に対して、1カ月あたり最大20枚まで利用可能な400円の電子タクシーチケット「GOチケット」を毎月発行する。補助対象となるのは西原・元代々木町・大山町・初台・本町・笹塚・幡ヶ谷の在住者。

1回の予約につき1人まで利用可能。抱っこひもなどで乳幼児を抱っこしている場合は、1人分の予約で利用できる。

車両は1台につき最大5名の乗車が可能なミニバンタイプで、最大10台が対応。代々木自動車と日本交通の車両が稼働する。運行時間は土日祝日含む8時~20時。

実証実験で使われる車両
車両の横と後ろに実証実験の掲示

出発式で挨拶をした渋谷区長 長谷部健氏によれば、約600名の区民から利用補助の事前申請があったという。「期待の高さを感じるところであり、地域交通の在り方を検討、実施していくにあたって、良い影響を与えられるのではないか」と述べた。

渋谷区長 長谷部健氏

乗降スポットについては、GO 代表取締役社長 中島宏氏が「高齢者の方が使う施設やお子様が使う施設などを含んだ形で設定した」と説明。また、渋谷区議会議長 一柳直宏氏は「渋谷区内では再開発が進められており、その過程で食料品などを購入できる大型店がなくなり、福祉バスの運行を求める声もあるが、停留所の課題などもあり簡単には実現できない。今回のデマンド交通という新しい交通手段を多くの人に利用していただき、実証実験が成功例となり、渋谷区でさらに広がっていくことを願っている」と話した。

GO 代表取締役社長 中島宏氏
渋谷区議会議長 一柳直宏氏
出発式には長谷部氏、中島氏、一柳氏のほか、代々木自動車 代表取締役 西澤明洋氏、日本交通 代表取締役社長 若林泰治氏が参加した
テープカットの後に1台ずつ出発した