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「富岳NEXT」、NVIDIAと国際連携で開発
2025年8月25日 12:32
理化学研究所は、富士通、NVIDIAと共同で、スーパーコンピュータ「富岳」の次世代フラッグシップシステム(開発コードネーム:「富岳NEXT」)の設計・開発を開始する。
日本のフラッグシップシステムとしては初めてGPUを加速部に採用し、NVIDIAがそのGPU基盤に関する設計を主導。全体システムと計算ノード、CPUの基本設計は富士通が推進する。三者の国際連携により、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)の基盤として計算による課題解決を支える「AI-HPCプラットフォーム」の構築を進めていく。
「富岳NEXT」は2030年頃の稼働を予定。これまでのスーパーコンピュータが追求してきたシミュレーション性能だけではなく、シミュレーションとAIの双方において世界最高水準の性能を達成し、両者が密に連携して処理を行なえる「AI-HPCプラットフォーム」となることが求められている。そのため、「富岳」で培ってきたCPU技術を拡張しつつ、GPUを加速部として搭載し、シミュレーションとAIアプリケーションの実行性能の最大化を目指す。
また、次世代計算基盤を活用した科学的成果を創出し続けるためには、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやアルゴリズムとの総合的な技術革新も重要となる。理研のソフトウェア、アルゴリズム技術と富士通のCPU、システム化技術、NVIDIAのGPU関連技術を活用することで開発を推進する。
「富岳NEXT」では「富岳」に比べて最大100倍程度のアプリケーションの高度化、高速化を進め、その成果を世界に展開するほか、理研は量子コンピュータ(QC)との連携も検討している。開発は、2025年度内に基本設計を完了し、2026年度以降は詳細設計に移行する予定。


