ニュース

「富岳」で30秒ごとのゲリラ豪雨予測。理研など

理化学研究所とエムティーアイの共同研究グループは、スーパーコンピュータ「富岳」を使い、首都圏において30秒ごとに更新する30分後までの超高速高性能降水予報のリアルタイム実証実験を7月20日から8月8日、8月24日から9月5日に行なう。なお、この予報は試験的に行なうもので、気象予報に十分な精度や安定した配信環境は保証されない。

共同研究グループは2020年に、さいたま市に設置されているマルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)による30秒ごとの雨雲の詳細な観測データと、スーパーコンピュータ「Oakforest-PACS」を使用して首都圏で30秒ごとに新しいデータを取り込んで更新し、30分後までを予測する実証実験を行なっていた。

今回は、3月に共用を開始した富岳を使うことで、前年よりも20倍大きな1,000通りのアンサンブル計算を実行する。また、システム全体を改良し、30秒ごとに更新する解像度500mの気象予測をリアルタイムで行なう。リアルタイム予報は世界唯一の取り組みで、研究に着手した2013年10月以降のさまざまな成果の集大成となほか、富岳のリアルタイム利用は初めての試みとなる。

実証実験で得る予報データは、気象業務法に基づく予報業務許可のもと、理研の天気予報研究のWebページおよびエムティーアイのスマートフォンアプリ「3D雨雲ウォッチ」で7月20日正午から公開する。