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NVIDIA、エージェントAI向けオープンモデル「Nemotron 3」
2025年12月17日 12:43
NVIDIAは12月15日、マルチエージェント型AIの開発を支援するオープンモデル「Nemotron 3」ファミリーを発表した。提供開始された小型モデル「Nemotron 3 Nano」は、Hugging FaceやBasetenなど各推論サービスプロバイダーを通じて同日より利用可能。「Super」、「Ultra」は2026年上半期に提供予定。
Nemotron 3は、Nano、Super、Ultraの3モデルで構成され、これまでの組織単一モデルのチャットボットから、協調型マルチエージェントAI構築に求められる高精度かつ高効率な処理を実現する。各モデルは、NVIDIA独自のハイブリッド潜在Mixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャを採用し、開発者が信頼性の高いマルチエージェントシステムを大規模に構築できる。
特にNanoは、300億パラメータを持つ小型モデルでありながら、一度に最大30億パラメータをアクティブ化し、ターゲットを絞った高効率なタスクを実行できる。従来のNemotron 2と比較してトークン処理性能は最大4倍、推論コストは最大60%削減され、デバッグや情報検索、要約などに適した高効率モデルとされる。
Superは1,000億、Ultraは5,000億パラメータ規模で、それぞれマルチエージェントや戦略的推論が必要な複雑なワークフロー向けに設計されている。SuperおよびUltraは、NVIDIAのBlackwellアーキテクチャと新たな4ビットNVFP4トレーニングフォーマットを採用し、従来よりも少ないメモリでの高速学習が可能。
NVIDIAは、3兆トークン分のトレーニングデータセットや、オープンソースライブラリー「NeMo Gym」「NeMo RL」などのツール群も公開。これらはGitHubおよびHugging Faceで入手でき、AIモデルのカスタマイズや安全性評価に活用できる。
Nemotron 3 Nanoは、Amazon Bedrock経由のAWS上で利用できるほか、Google Cloudなど主要クラウドサービス上でも順次展開予定。
