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テスラ、国内で高度運転支援「FSD」テスト開始 車両をスマホで呼び寄せ
2025年8月20日 12:41
テスラは、ドライバー監視付きの高度運転支援機能「Full Self-Driving(Supervised)」の技術テスト走行と学習を、日本国内で本格的にスタートした。これはテスラの先進運転支援システムを世界中で展開し、道路交通の安全性と利便性を向上させるための重要な一歩としている。
テストでは、テスラの「We, Robot」イベント(2024年10月10日)で披露されたFSD v13の技術を活用し、都市部の複雑な道路環境や高速道路での性能を検証。テスト車両は、現在販売中の車両と同様の最新AIハードウェア(AI 4)とカメラベースのTesla Visionを搭載したミッドサイズ モデル3。
「Full Self-Driving(Supervised)」は、直訳では完全自動運転だが、実際には完全自動運転ではなく、監視義務付き(Supervised)の運転支援システムとなる。ドライバーの常時監視が前提で、以下の機能を実現する。
- 全方位カメラシステム:車両に搭載された8つのカメラによる360度視野と、Tesla Visionによるリアルタイム環境認識を実施。一般的な自動車で採用されているレーダーや超音波センサー、高精度地図は使用せずにカメラのみで動作する。
- ニューラルネットワーク:FSD v13では、エンドツーエンドの深層学習アーキテクチャを採用。従来のルールベースアルゴリズムを廃止し、600万台以上のテスラ車両から収集した10億マイル以上の走行データを基に、複雑な運転シナリオを学習させている。
FSD (Supervised)のテスト走行を本格開始
— Tesla Japan (@teslajapan)August 20, 2025
*国内リリース時期は、弊社開発状況及び規制当局の許認可に依存します。pic.twitter.com/0DmacEkTXq
車両は、駐車場での駐車状態からの発進・走行、目的地での駐車を実施。市街地では信号や標識の認識、車線変更、交差点通過、歩行者や自転車への対応を行なう。
ASS(Actually Smart Summon)機能では、車両をスマートフォンアプリ経由で呼び寄せることが可能。GPSとカメラを活用し、最大約85mの範囲で動作する。
安全性機能として、緊急ブレーキ、衝突警告、車線逸脱防止を統合。ドライバーの注意力は、ステアリングホイールへのトルクや車内カメラによる顔認識で監視している。
テスラによると、米国の一般的な車は平均113万km毎に1件の衝突事故が発生しているという。テスラのオートパイロット機能をオンにした車両の場合は、平均1,077万km毎に1件の衝突事故率で、他の車よりも9.5倍安全性が高いという。
テスラでは、2021年にModel 3とModel Yからレーダーを取り除き、Tesla Vision(カメラベースの周辺認識)への移行を実施。2022年には、超音波センサーを廃止して、現在はカメラベースのTesla Visionのみでオートパイロットシステムを実現している。
米国と欧州におけるアクティブセーフティ評価では、レーダーや超音波センサーを装備した車両と比較して、同等かそれ以上を記録し、歩行者用自動緊急ブレーキの介入なども性能が向上しているという。
また、アメリカ テキサス州 オースティンに位置するテスラの最新工場「Giga Texas」では、AIトレーニング用の計算能力を拡大。約16,000台のH200 GPUを追加導入して、Cortexの総計算能力はH100相当で67,000台分に達している。




