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Microsoft Edgeに「Copilot Mode」搭載 本格的AIブラウザーに
2025年7月29日 02:00
マイクロソフトは28日(米国時間)、Webブラウザー「Microsoft Edge」に、「Copilot Mode」と呼ぶAI関連機能を搭載した。
マイクロソフトはCopilot Modeを「AIによる次世代ブラウジング体験を提供する実験的機能」と位置付けている。Windows・Mac版のMicrosoft Edgeで利用可能であり、日本時間7月29日)以降公開。以下のリンクよりオプトインを行なったのち、Edgeの設定で利用・不使用を切り替えて使う。
https://www.microsoft.com/en-us/edge/ai-powered/copilot-mode?form=MG0AWI&cs=2199494592
日本を含む、Edgeが提供されているすべての地域で利用が可能。マイクロソフトは「期間限定で無料提供される」と説明している。
EdgeがAIブラウザーに進化 繰り返しを減らす
Copilot Modeは、Webブラウザーの情報をAIサービスであるCopilotが解析して様々な作業を行なう、いわゆる「AIエージェントサービス」である。Copilot Modeがオフの時は今まで通りのWebブラウザーとして動作し、Copilot Modeをオンにすると、AIエージェントが閲覧や課題解決をサポートするWebブラウザーに変わる。
昨今はPerplexityの「Comet」やGensparkの「Genspark AI Browser」、The Browser Companyの「Dia」など、多数生まれている。
そもそも同様の機能は、一部以前からEdgeに搭載されていた。Copilot Modeは従来から搭載していた機能を軸にしたもの、と言っていいだろう。
Copilot Modeでは特に、「閲覧と検索の繰り返し」を減らすことを狙っている。
我々はなにかを探すとき、Webブラウザーで複数の情報を検索し、それぞれを別のタブで開いておいて、見比べながら決断を下すことが少なくない。
だがCopilot Modeでは、現在開いているタブすべてに表示されている情報を参照し、それぞれの情報を比較して判断を下すことができる。結果としてタブを繰り返して比較参照する回数が減る。
例えば複数の宿泊地に関するWebサイトを開いた状態で、「ビーチに近い」「キッチン完備」といった条件をCopilotとチャットで対話していくことで、「開いているサイトの中でどこのものが適切か」といった判断が下せるようになる。
背後にあるのは、「利用者がWebをクリックするのをただ待つのではない」という発想だ。AIであるCopilotが利用者の裏でWebを閲覧、不要なものを排除しつつ、判断がより的確で素早いものになるよう、パートナーとしての役割を果たす。
チャットなどの作業はこれまで同様Copilotタブの中で行なわれるが、「チャット・検索・Webナビゲーションをまとめた単一の入力ボックスを備えた、すっきりとした合理的なページになる」とマイクロソフトは説明する。また同時に、音声でのCopilotとの連動も強化されるという。
履歴や位置情報を使って「利用者と並走するアシスタント」に
なお、現時点では未搭載だが、今後の強化についてもいくつかの方向性が示された。
その一つが「履歴の活用」だ。
近日中には、EdgeとCopilotの利用履歴や位置情報、アクセス資格情報などをCopilotが利用し、より適切な情報を提示するようになる。
当然そのためには、ユーザー情報へとCopilotがアクセスすることになるが、当然、利用者の許諾を得た上で利用する。
その結果として、「職場の近くでパドルボードのレンタルを探して」と尋ねるだけで、Copilotが最適なオプションを見つけるだけでなく、天気をチェックして予約を行ない、準備に役立つ日焼け止めやチュートリアルビデオまで提案してくれるようになる……とマイクロソフトは説明している。
また、「タスクを再開する」機能も用意される。
履歴などにアクセスできるということは、過去のブラウンジングやチャットについて、その続きを行なえるということでもある。
新しいタブを開いた時のページについても、過去と現在のブラウジングについて、トピックをベースに「なにを続けるべきか」をまとめた「ジャーニー」を表示するようになる。この機能によって次になにをすべきかを提案し、効率的な作業を助ける狙いがある。
これら機能により、マイクロソフトはEdgeをCopilotと連動する「AIエージェント搭載Webブラウザー」にすることを目指す。
どのような機能が便利なのか、セキュリティ上どのような配慮が必要なのか、という点についてはフィードバックを求めており、そのためにも、まずは無料で広く提供……という判断になっているようだ。





