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ANA、”個室型“の新ビジネスクラスシート
2025年6月17日 18:04
全日本空輸(ANA)は、中型機ボーイング787-9向けに最新のドア付き個室型ビジネスクラスシート「THE Room FX」を発表した。 2026年度以降、長距離国際線仕様の同機材に順次導入し、約10年ぶりに中型機のビジネスクラスシートを刷新する。
新シートは、航空機シートメーカーのSafran Seats、イギリスのデザイン会社Acumen Design Associateと共同で開発。2019年に大型機ボーイング777-300ERへ導入した「THE Room」の開発経験を基に、中型機向けに新たなコンセプトを考案したANA独自のオリジナルシートとなる。
コンセプトは「THE Room FX-Elevating comfort through innovation」。「FX」は「Future Experience」を意味する。個室ドアと壁の薄型化や、背もたれに曲線ラインを採用したシートを前後の向きを互い違いに配列することで、中型機でありながら大型機並みの空間体験と居住性を実現した。
シートは、リビングのソファのように自由な姿勢で過ごせるよう、横幅を従来より広く設計。あらかじめ背もたれをリクライニングさせたプリリクライニング方式を採用した。また、レッグレストを水平にすることで、ソファからベッドへと変化し、利用者の過ごし方に合わせた空間作りが可能。
機能面では、現行の「ボーイング787-9」長距離国際線仕様機と比較して1.4倍となる24型の大型HDモニターを搭載。ワイヤレス充電やUSB Type-C、Bluetoothオーディオ接続にも対応する。
シートの仕様は、シートピッチが103インチ(約2.6m)、シートの最大長は約194cm、最大横幅は約105cm。電源設備はワイヤレス充電、USB Type-A、Type-C、AC電源を備える。また、個室ドアやディバイダーの薄型化により軽量化も実現し、現行シートと同水準の重量を維持している。