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グーグル、日本のAI活用を推進 デジタル人材育成支援ツールなど

グーグルは、日本国内でのAI活用推進を目的としたイベント「The Beyond Series: Research@Tokyo」を開催し、日本におけるAI活用の取り組みや新パッケージなどを発表した。

生成AIの活用スキルを学べる資格認定プログラム「Google Prompting Essentials 日本語版」を開始する。料金は有料だが、日本リスキリングコンソーシアムと連携し、同コンソーシアムの新規会員を対象に、先着1万名に限り無料で受講可能なアカウントも配布する。

同イベントでは、地方創生に向けた取り組みとして、地方自治体や中央省庁の担当者向けに「Local Growth パッケージ」を新たに発表。このプログラムは、地域固有の課題解決を支援する生成AIモデルの実装構築支援、デジタル人材育成プログラムの提供を柱とする。地方自治体の職員や住民が各地域の状況に適したソリューションを見出し、活用することを目指す。すでに大阪府、広島県、大分県など8府県との連携が進んでいる。

あわせて、公共部門の職員向けに実践的なAIスキルを学べる「AI Connect アカデミー」の提供も開始した。行政職員を対象に対面型のトレーニングを実施し、実際のAIツールを用いた課題解決の事例を通じて、業務への応用を図る。教育関係者向けには「Gemini アカデミー」、中小企業向けにはサイバーセキュリティ対策を含む専門研修も提供される。

研究分野では、東京科学大学および産業技術総合研究所では、日本語特化型LLM「Gemma-2-Llama Swallow」を開発。Googleの生成AIモデル「Gemma」を基盤とし、2B/9B/27Bの3サイズ展開で、特に9Bモデルは他の大型モデルに匹敵する性能を日本語で発揮するとしている。

ヘルスケア領域では、高齢者の健康維持と向上を目的に、東京大学と共同研究を行なっている。ウェアラブルデバイスを活用した高齢者の総合的な健康改善効果を発表した。ウェアラブルデバイスから通知される健康数値の測定や情報を受けることで、通常のケアと比較して、健康増進に貢献することが判明した。特に認知機能が向上し、「フレイル」予防に寄与する可能性を示した。

さらに、重度障がい者向けに開発したコミュニケーション支援ツールの「Project Voice」をオープンソース化した。新たに会話モードや文章タイプセレクター、多言語対応などの機能を追加し、誰もが自分らしく表現できる手段としての活用を目指す。