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AI Alliance、日本拠点を設立 産業向けAI言語「Dana」発表
2025年6月26日 15:14
オープンソースAIを推進する国際コンソーシアムの「AI Alliance」は26日、AIを活用した新しいプログラミング言語「Dana」と産業用エージェント・フレームワーク「OpenDXA」を発表した。併せて、日本における活動を担う「AI Alliance Japan」の設立を発表。三菱電機、国立情報学研究所(NII)、さくらインターネットの3組織がAI Allianceに参加した。
AI AllianceはMetaやIBMなど、大手IT企業やAIスタートアップ、教育機関らが責任あるAIの推進に向けて発足された団体。「AI Alliance Japan」の初期メンバーには、Aitomatic、IBM、NEC、パナソニックホールディングス、JSR、Red Hat、三菱電機、NII、さくらインターネットの9つ企業や研究機関が含まれる。同団体は、日本の文化的・経済的背景に即した「ソブリンAI」の実現を目指す。
AI Alliance Japanが支援する初のプロジェクトはNIIが主導する「LLM-jp」で、日本語に強く、透明性と安全性を重視したオープンなLLMの研究開発として進めている。世界のLLM学習データにおける日本語の比率は約0.1%にとどまっており、日本語の精度と文化的背景への対応力を備えた国産モデルの必要性が高まっているとしている。
あわせて発表された「Dana(ディーナ)」は、開発者が目的を自然言語で記述するだけで、AIが実装処理を行なう「意図駆動型開発(intent-driven development)」を実現するプログラミング言語。従来のLLMが入力文(プロンプト)への応答や要約、生成などに用いられてきたのに対し、Danaはソフトウェア構築自体をAIが支援する“AIネイティブ”な開発環境を提供する点が特徴となる。Danaによる実装処理は、決定論的で再現性の高い出力を可能にし、従来のLLMに見られる曖昧さや不安定さを回避する。これまで行なわれてきたAIがコーディングを支援する段階から、AIがソフトウェアそのものを構築するという一歩進んだ概念として位置づけられている。
もう一つの発表である「OpenDXA」は、製造業や輸送などの産業領域において求められる高度な専門知識、複雑な業務プロセスに対応するAIエージェント開発を支援するフレームワーク。ブラックボックス的な従来のワークフレームとは異なり、説明可能なAIと、決定論的な挙動を持つ設計が導入されている。プロンプトの自動最適化機能や、トラブル発生時でも動作を維持できるフォールト・トレラント性を備える。





