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ホンダ、ロボット技術活用の人工衛星給油システム アストロスケールと共同開発
2025年5月30日 12:57
本田技術研究所は、宇宙の軌道上の人工衛星に燃料を補給するための給油口接続システムを、アストロスケールと共同開発する。ホンダのロボティクス研究で培ったメカトロニクス技術を応用し、アストロスケールのRPOD(Rendezvous, Proximity Operations and Docking、ランデブー、近接運用、ドッキング)技術と連携することで、2029年をめどにアストロスケールが予定している宇宙の低軌道での燃料補給技術実証での使用を目指す。
地球周回軌道上では、人工衛星やスペースデブリの増加による混雑で、将来的に軌道の使用が困難になる可能性がある。このため、従来の使い捨てを前提とした人工衛星やロケットの運用から、再利用や修理、燃料補給などのサービスを宇宙空間で提供するソリューションが検討されている。
今回両社が開発する給油口接続システムは、軌道上サービスの一つである燃料補給サービス向けの技術となる。軌道上で燃料補給が可能になれば、人工衛星の寿命の延長、人工衛星の数や打上げ回数の低減につながる。
また、補給により燃料の制約がなくなることで、人工衛星のミッション範囲や柔軟性を拡大し、新しい人工衛星の使い方も可能になる。
ホンダは今後、宇宙へも人の活動領域が広がることを想定し、遠隔操作ロボットの月面適用をはじめ、宇宙空間でのさまざまなシーンにおけるロボティクス活用を目指す方針。そのためには、過酷な宇宙環境でも確実に動作するロボティクス技術が不可欠であり、軌道上サービス分野で実績のあるアストロスケールとともに共同開発を行なうことで、宇宙で実用可能な技術獲得の第一歩にするとしている。