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歴史的建造物「横浜郵船ビル」、外観を保存しつつホテルへコンバージョン

竣工予定イメージパース

横浜市は、昭和11(1936)年築の「横浜郵船ビル」を横浜市認定歴史的建造物に認定した。保全活用として、日本郵船とPlan・Do・See(PDS)がホテルにコンバージョンする工事を着工した。2026年秋の竣工を経て、宿泊・レストラン・バンケットが揃うホテルとして、PDSが運営を担う。

横浜市では歴史的建造物を保存活用し、横浜の個性と魅力を発信するまちづくりを展開しており、特に価値が高い建造物については「横浜市認定歴史的建造物」として認定している。中区海岸通にある横浜郵船ビルは、105件目の横浜市認定歴史的建造物となる。

横浜郵船ビル

横浜郵船ビルは、日本郵船創業50年を記念して1936年に完成した古典主義様式建築。正面の16本の列柱が特徴的な地区のランドマークとなっている。列柱は柱の上部に、地中海地方原産の植物アカンサスの葉をモチーフとした華麗で繊細な装飾を持ち、優雅で洗練された美しさが特徴の古代ギリシアの建築様式であるコリント式列柱。

コリント式列柱の柱頭部

歴史的には、長期にわたり事務所・訓練所として使用されるなど、横浜の貿易産業の隆盛を支え、横浜市の都市発展上大きな役割を担った。2003年には、建物1階部分が日本郵船歴史博物館に改装された。

竣工時の姿

今回のコンバージョンは、2023年から同ビルの位置する海岸通り地区で進められている再開発事業の一環。歴史的、建築的、景観的価値を考慮して外観を保全しつつ、周囲に新たに整備されるオフィスや商業施設等とともに、地域の賑わい創出を図る。

計画区域内の配置図

ホテルは、PDSのノウハウ、歴史的建造物のリノベーション技術を活かすとともに、日本郵船とのシナジーを最大化し、街に新たな価値を創造するとしている。

所在地は神奈川県横浜市中区海岸通三丁目9番1号。規模は、敷地面積5,507.14m2、延床面積7,163.25m2、地上4階建て。土地・建物所有者は日本郵船、ホテル事業運営者はPDS。