ニュース

TOKIUM、GPT-4o搭載の契約管理サービス スキャン代行・簡単検索

TOKIUMは、電子および紙の契約書をクラウド上で一元管理できる、GPT-4o搭載の契約管理クラウド「TOKIUM契約管理」を、6月3日より提供開始する。

契約書に記載されている取引先名や契約期間などの契約内容をGPT-4oが自動で抽出し、データ化するサービス。紙の契約書のスキャンはTOKIUMが代行するため、企業の負担なく一元管理が可能となる。

社内の契約書はTOKIUM上で閲覧可能。一元管理や検索性の担保により、契約管理業務の効率化に加え、企業のガバナンス強化につながるとしている。

サービス提供の背景には、ガバナンス強化の要請や下請法遵守への監視強化などにより、契約業務に関する課題や負担が増加しているという問題がある。契約書の電子化が進む中で、紙で管理していた契約書も電子化しなければ管理や検索性の面で負担が発生する。

これに対し、TOKIUM契約管理では、一般的な管理方法である製本された紙の契約書を製本された状態のままスキャンし、クラウド上にアップロード。スキャン後の契約書はTOKIUMが保管を代行するため、オフィスのペーパーレス化にも寄与する。

契約書の内容はAI-OCRで全文をデータ化し、取引先名や契約期間などの項目を生成AI(GPT-4o)により自動で抽出。契約管理台帳の作成を自動化することで、手作業で契約内容を入力する手間を省けるほか、TOKIUM上ですぐに契約書を見返せる。

約540万社以上の企業情報が登録されているデータベースと連携している点も特徴。取引先の社名や住所、インボイス登録番号などの情報が自動で更新されるため、取引先のマスタ情報のメンテナンスにかかる工数を削減できる。また、会社名の表記ゆれは自動で名寄せできるため、取引先の重複登録の防止にもつながる。

そのほか、契約更新アラート機能を搭載しており、TOKIUM上で登録された契約期間と解約通知期限に基づき、契約更新の対応が必要な契約書をTOKIUMから担当者に毎月メールで通知。意図しない自動更新による無駄なコスト発生や、自動解約のリスクを回避できる。契約が自動更新された場合は、最新の契約期間が自動で計算され反映される。

TOKIUMが実施したアンケートでは、契約業務に関わる担当者が負担と感じる管理業務として、「確認したい契約書を探すのに時間がかかる」「紙と電子が混在していて管理が複雑」「紙の契約書のファイリングに手間がかかる」が多く挙がったという。TOKIUM契約管理により、契約書の管理を電子化しきることで、これらの負担を軽減できるとしている。

また、フリーランスや副業といった働き方、雇用のあり方が増えてきている中で、2024年中にはフリーランス保護法の制定が予定され、取引条件の明示や報酬の支払期日の設定などが必要となる。これにより、企業における契約管理はますます複雑になることが想定されるが、管理が徹底できるとともに、負担軽減ニーズにも応えられるとしている。

TOKIUMでは「TOKIUM経費精算」「TOKIUMインボイス」「TOKIUM電子帳簿保存法」の3つのサービスを提供している。これらのサービスとともに導入すれば、1つのプラットフォームで他サービスも含めて一元管理できるところにも、TOKIUMのアドバンテージがあると訴求。例えばインボイスと契約管理を合わせて利用することで、フリーランスとの契約管理とともに適格事業者の判定もできる。

TOKIUMは提供サービスにおいて、支出を最適化する支出管理プラットフォーム「BSM(Business Spend Management)」に注力するという考えをもっている。単に利用された経費を正しく処理するだけではなく、企業全体の支出を管理・分析し、最適化するというもので、経費を申請する側と承認する側の2者間だけではなく、法務部や購買部、事業責任者など幅広い人が関わるという考えだ。

BSMを通じて、コスト削減余地の発見や、下請法やフリーランス保護法などのリーガルリスク、反社チェックなどを一元管理でき、加えて過去の類似契約に迅速にアクセスできるようにすることで迅速な意思決定につなげることを目指す。

TOKIUM契約管理の導入費用は、初期費用が50,000円(税別)、月額43,000円(同)から。目標導入者数は'27年5月末までに2,000社。

TOKIUM 代表取締役 黒﨑賢一氏(左)、TOKIUM プラットフォーム戦略室 大槻直輝氏(右)