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駅ナカに「ハローワーク」 近鉄で全国初

ハローワークミニ! 駅ナカ拠点

近鉄は、駅ナカに全国初となる「ハローワークミニ!」を、大和西大寺駅に4月30日に設置する。5月29日には近鉄百貨店奈良店にも開設する。

15〜49歳の若年無業者への就労支援事業・奈良若者サポートステーション(厚生労働省委託事業)を運営するNPO法人HELLOlifeが、奈良労働局、近鉄、近鉄百貨店の協力を得て、就業支援拠点のハローワークミニ!を開設する。

大和西大寺駅に設置する施設を「駅ナカ拠点」、近鉄百貨店奈良店5階に設置する施設を「駅チカ拠点」と位置づけ、ハローワークの就職支援サービスや各種情報提供、就活準備支援を実施する若者サポートステーションの利用を案内する。

設置の目的は、働くことに悩みを抱えている人の就労に向けた支援。定期的なハローワーク奈良による出張相談を行なうなど、ハローワークの就職支援と連携したサービスを提供する。今後は近鉄との協働による、近鉄沿線の価値創造に寄与する沿線産業振興や、求職者マッチングに向けた施策も予定している。

駅ナカ拠点はコーヒースタンドを兼ねた、駅の改札を出てすぐの拠点で、メニューは「コーヒー」と「キャリアカウンセリング」。どちらかだけでも両方でも利用できる。キャリアカウンセリングは対面もしくはオンライン。求人検索や適職診断にも対応する。

コーヒーとカフェオレを提供

駅チカ拠点では、県民同士を繋ぎ合わせるピアプログラムやセミナーを実施。また、職場体験機会の提供により、奈良県の中小企業と求職者が出会う場づくりも担う。1対1の対面によるキャリアカウンセリングにも対応する。

駅チカ拠点

奈良県内の若年無就業者数は7,300人(平成29年度就業構造基本調査)と推計され、人口に占める割合は2.8%で全国8位と高い水準にあり、支援を要する人が多数いる状況。また、奈良県の15歳以上の就業者の県外就業率は27.2%(令和2年国勢調査)で全国第3位で、さらに2019年(平成31年)3月に卒業した奈良県内の新規学卒者の就職後3年以内離職率が全国平均値より高い状況にある。

こういったことから、15歳以上の就業者の安定した職業的自立を図り、早い段階からの職業意識の啓発やきめ細かな就業支援などを通じた就職促進および早期離職の防止への取り組みが求められている。

ハローワークミニ!では、テイクアウト専門のコーヒースタンドを併設するなど物理的、心理的にアクセスしやすい環境作りを行ない、必要な人に必要な支援が届けられる仕組みとコンテンツによる奈良県民のより良いキャリア形成と奈良県の産業振興への寄与を目指す。