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KDDI、スターリンクを領海外でも提供開始

MARITIMEを搭載した客船「飛鳥II」

KDDIは、衛星ブロードバンド「Starlink」の海上向けサービス「MARITIME」について、領海外でのサービス提供を開始した。

これまで日本国内における「MARITIME」は、日本の領海内のみでの利用が可能だったが、制度が改定されたことから領海外でも利用が可能になった。これにより、領海の基線からその外側12海里(約22km)を超える、接続水域、排他的経済水域、公海でStarlinkを利用できる。

「MARITIME」では、航海中にダウンロード速度最大220Mbpsの通信環境を提供。アンテナは「Flat High Performance」タイプで、設置面積が小さく、デッキ上のスペースを占有することなく設置することが可能。

Flat High Performanceアンテナ

これにより、公海などで運航する大型旅客船や遠洋漁業船、学術研究船などで、リアルタイムでの気象情報や海洋情報の取得や送信ができるようになり、安全な運航の支援やデータを大量に取り扱う海洋研究のDX化、船舶の自動航行などが実現可能になる。また、緊急時の迅速な連絡手段の確保や長期乗船という特殊な環境下で働く船員の満足度向上などの課題解決にもつながる。

2月9日から、郵船クルーズが運航する客船「飛鳥II」(50,444トン)への導入も決定。13日からは乗船者向けのWi-Fiサービスを開始した。