ニュース

KDDI、スターリンクで南極から8K映像

KDDI、KDDI総合研究所と国立極地研究所(極地研)は、南極昭和基地とKDDI総合研究所本社の間で、Starlinkの衛星通信回線を用いた8K映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功したと発表した。実証実験は2月13日に実施された。

スペースXの衛星ブロードバンド「Starlink」(スターリンク)は、昭和基地周辺でも高速かつ低遅延なネットワークを利用可能。また、スターリンクのアンテナの可搬性を生かし、昭和基地とその周辺だけでなく、より広範囲での作業に活用できるため、南極大陸の自然観測のほか、昭和基地から離れた場所における観測隊員と国内担当者とのリアルタイムコミュニケーションによる作業効率化など、さまざまな利用が期待されるという。

KDDIとKDDI総合研究所は、南極大陸における観測隊員の業務環境改善や、極地研による南極域の研究観測業務や通信環境の設営、教育の高度化を支援する。スマートフォンを使った8K映像のリアルタイム伝送システムの有用性検証や課題の抽出・改善を行ない、現場作業のDX化の加速や高度化など、社会インフラの保全や強靭性確保に貢献していくとしている。

極地研は、スターリンクによる広帯域・低遅延の通信回線を生かし、これまで以上に高度な昭和基地観測への利用を進め、南北両極での観測や全球的な観測に活用する方針。現地隊員の負担を軽減しながら、国際的な連携観測や宇宙飛翔体観測との連携の可能性も広げていくとしている。

なお実証実験の様子は、2月26日~29日にスペイン・バルセロナで開催される世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2024」のKDDIブースで紹介する。