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EV充電器をマンション駐車場の3割に 野村不動産

野村不動産は、今後開発する分譲マンション「プラウドシリーズ」全物件で、各マンションの駐車区画数のうち原則3割に駐車場のEV(電気自動車)充電設備を導入する方針を決定した。これにより東京都が「改正環境確保条例」として2025年から開始するEV充電の設置義務化に先行対応し、国内におけるクリーンエネルギー自動車の普及促進に貢献する。

また、今後取り組む一例として、7月15日にモデルルームをオープンする「プラウド青葉台(神奈川県横浜市)」では、EV充電仕様の特注大型パレットを採用。機械式立体駐車場の7割超(全39台)にEV充電設備を設置する方針。

プラウド青葉台

機械式駐車場へのEV充電導入については、ニッパツパーキングシステムズが開発し、カスタマイズしたシステムを採用している。

これまで、機械式駐車場では、EV充電の充電ガンや充電口蓋、ケーブルがパレット幅内におさまらないことにより、パレット昇降の際に、機械式駐車場躯体部分に干渉してしまうため、既存の仕様では導入が難しいという課題がああった。しかし、特に一都三県や近畿圏等の都市部では、マンションは機械式駐車場が多く、国土交通省の調査では、全国のマンション駐車場のうち32.2%が機械式駐車場となっている。そのため、今後EV車を普及させていくためには、3割超を占める機械式駐車場にもEV充電を設置する必要がある。

EV充電仕様の機械式駐車場イメージ

プラウド青葉台では、これを解決するため、大型パレット(2,050mm)を特注で制作し、収容車種を増加。EV車の充電口蓋の位置に合わせて「幅寄せガイドレール」を設置し、車種によって異なる充電口の位置に合わせて開閉に必要なスペースを強制的に確保できるようにした。さらに、EV車の充電口蓋の位置に合わせて「EV充電BOX」を設置。従来の機械式駐車場では、充電ケーブル等を収容するEV充電BOX自体が、パレット後面に固定で設置することしかできなかったが、今回のシステムでは、EV充電BOXをパレットの左右前後自由に設置でき、車種ごとに充電口蓋に近い位置に充電BOXを設置できる。これにより充電用の配線が長くなることがなく、断線等のリスクも回避できる。