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花粉症に効く“健康茶”にステロイド、飲んだ人は病院へ

国民生活センターは、“健康茶”として販売されている商品が、実際には医薬品成分のステロイドを含み、医薬品的な効果を示唆しながら販売されているとして、飲用による健康への影響、および関連する法律上問題になる恐れがある商品であると、注意喚起を行なった。飲用している人には医療機関の受診を勧めているほか、販売事業者に対してはただちに販売の中止を呼びかけている。

問題の商品は、花粉症への効果を謳う健康茶として販売されていた。国民生活センターの調査の結果、商品には抗炎症・抗アレルギー作用のあるステロイド成分(デキサメタゾン)が含有されていた。デキサメタゾンは医薬品成分であり通常の食品に使用できないため、この商品は「無承認無許可医薬品」に該当、医薬品医療機器等法上問題になるという。

国民生活センターが入手した商品

また通信販売のWebサイトでは医薬品的な効能効果、用法用量とみられる説明もあり、医薬品医療機器等法上問題になると考えられるとしている。加えて問題の商品は日本語での原材料表示がなく、食品表示法上問題になる恐れもある。

今回問題になった商品は、医師からの報告を受け付ける仕組みで発覚している。この医師の患者はテレビ番組でタレントが絶賛していたのを観て、通信販売で購入し飲用。別疾患で受けた血液検査にてACTH(腎皮質刺激ホルモン)、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)といった検査値が低く、副腎機能が抑制されていることが発見されたため、飲用を止めてもらったところ、検査値が速やかに改善したという。

デキサメタゾンは抗炎症作用のある医薬品成分である一方、デキサメタゾンなどのステロイドは急に服用をやめるとリバウンド現象を起こす危険性があるとし、医師の管理の下で徐々に使用を中止する必要があるとされている。国民生活センターでは、同銘柄の商品を飲用している人に対し、医療機関で受診するよう案内している。また消費者庁と厚生労働省に対し、販売サイトの事業者に指導などを行なうよう要望している。