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"自走"できてしまう違法電動自転車に注意 国民生活センター

SYLPHIDE700C(左)とGRAN BATTEMENT

国民生活センターは、「電動アシスト自転車」と称して販売されながら、道路交通法の基準に適合しない違法な自転車による道路の通行を止めるよう注意喚起を行なった。違法な自転車で道路を通行すると運転者が罰則の対象となる。

警察庁によると、京都府警察本部は1月、道路交通法上の電動アシスト自転車の基準に適合しない、原動機付自転車に該当する車両を「電動アシスト自転車」と称して販売していた事業者とその代表取締役を不正競争防止法違反の被疑者として検挙した。

これにより当該事業者が販売していた車両のうち、2銘柄が京都府警察本部等による捜査の過程で、道路交通法の基準に適合せず、原動機付自転車に該当することが判明している。また、他の8銘柄についても確認した結果、道路交通法上の基準に適合せず、原動機付自転車に該当するおそれがあるとの連絡が国民生活センターに寄せられたという。

8銘柄のうち、2銘柄については購入した消費者から消費生活センターを通じて、「使用している電動アシスト自転車が公道を走れるものなのか不安を感じる。アシスト比率に問題がないか調べてほしい。」というテスト依頼が続けてあったことから、同センターがそのテストを行ない、結果を公開した。

テストを行なったのは「SYLPHIDE700C(シルフィード700C)」「GRAN BATTEMENT(グランビート)」の2種。これらの販売事業者は「THE NeO」、ブランド名は「京の洛スク」としている。

道路交通法の定める基準に適合しているかを調べるため、JIS D 9115:2018に準じてアシスト比率の測定を行なったところ、いずれもアシスト比率が、同法の定める基準の上限を大きく超えていた。具体的には、緩やかな上り勾配を走っている場合、時速5~20kmの間では、人の踏力がほぼかからない、電動モーターの動力による走行で、自走に近い状態となっていた。これらの結果から、テストを行なった車両については法律が定める基準を大きく超えるアシスト比率であり、事故につながる恐れがあるという。

テストの様子

国民生活センターでは、道交法上の基準に適合しない疑いがある製品を持っている場合は、そうした恐れがある銘柄に該当していないか確認し、該当していた場合は道路の通行を控えるよう呼びかけている。

現在、違法性が確認されている10製品は下記の通り。

  • SEAGULL26(シーガル26)
  • Releve(ルルベ)
  • SYLPHIDE700C(シルフィード700C)
  • GRAN BATTEMENT(グランビート)
  • SEAGULL20(シーガル20)
  • GLISSADE26(グリッサード26)
  • BARON-X20(バロン-X20)
  • Petit Chasse(プチシャッセ)
  • Pirouette-s(ピルエット-S)
  • Passe-L(パッセ-L)