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TeamsにGPT-3.5を統合 「あたらしいBing」が支えるハイブリッドワーク

マイクロソフトは、ハイブリッドワークへの取り組みに関するイベント「Microsoft 365 & Teams Day 2023 ~ハイブリッドワークの進化と"Do More with Less"とは~」を開催。ハイブリッドワークを取り巻く状況や、あたらしいBing、OpenAIのGPT-3.5を利用したMicrosoft Teams Premiumの新機能などを紹介した。

ハイブリッドワークとは、リモートワークとオフィスへの出社を柔軟に行なう取り組み。グローバルでもスタンダードになりつつあるという。リモートワークはコロナ禍の影響で100%リモートで仕事を行なう企業は増えていたが、コロナ禍の沈静化にともなって、徐々にその割合は減ってきている。

しかし、100%リモートワークに対応した求人へのニーズは依然として高水準で、そうした会社はグローバルの数字では求人数の14%しかないのに対し、求職者の52%がリモートワークベースの仕事に応募。100%オフィスへの出社を求めるような求人では、なかなか優秀な人材が集まりにくいのが現状だという。

「生産性のパラノイア」についても紹介。リモートワーク時における従業員と管理職の意識の違いで、リモートワーク時に自身の生産性が高いと考える従業員の割合は87%と高いが、チームが生産的であると革新を持つ管理職の割合は12%しかない。実際に目の前で作業しているのをみないと、本当に生産性が高いのか確信がもてなくなってしまうためだ。

こうしたケースが誤った方向に進んでしまうと、管理職は従業員に対してアクティビティベースの評価になりがちで、たとえば、何分PCに向かっていたか、メールを出すのに何分使っているか、などの数値を計測することで評価に繋げるようになってしまう。

オフィスの役割も変わってきており、オフィスは仕事をするためだけの場所ではなく、人と人とのつながりが出社のモチベーションになりつつあるという。オフィスに仕事上の友人がいる、チームメンバーがいる、などがわかっていれば、より頻繁にオフィスに出社する確率が上がる傾向があるとし、同僚や偶発的な出会いによってアイデアを得たりモチベーションを支えたりする場になりつつあるそうだ。

AIの進化がハイブリッドワークを支える

ハイブリッドワークを支えるAIの進歩についても紹介。先日発表された「あたらしいBing」は、「AIを搭載したCopilot(副操縦士)」であるとし、その活用方法の一例を紹介した。

あたらしいBingは、検索をするだけでなく、その結果をまとめてくれるのが特徴。従来は何か情報をまとめる場合、これまでは自分でいくつもの項目を検索して自分でサマリーを作っていたが、あたらしいBingでは人間の問いかけに対して自動で情報を収集し、サマリーを作る作業を自動で行なってくれる。仕事以外にも、旅行プランを作ったり、今日の献立のお勧めを教えてくれるなど、一緒にWebを歩く手伝いをしてくれる存在になるとしている。

デモでは、実際にメールの文面を作成する様子が公開。チャットであたらしいBingに「Microsoft 365 & Teams Day 2023について、顧客に案内するメールを作成してくだい」と問いかけると、BingがWeb上にあるイベントのWebページから情報を参照し、挨拶文やイベント日時、内容などがまとまった案内用メールを数秒で作成していた。

あたらしいBingに問いかけ
作成された文章

メールの文面の文章は「独創性」「バランス」「厳密」の3パターンを指定可能で、独創性のある文章では少し砕けた文体に、厳密では厳格な文体に、バランスは両者の中間の文体で文章を作成できる。

また、Microsoft Teams Premiumには、OpenAIのGPT-3.5を統合。今後数カ月の間に、会議の内容を自動的にテキスト化して重要な論点や情報をサマリーとしてまとめる機能を提供予定。すでにキャプションによる音声翻訳機能は利用可能で、さまざまな言語をリアルタイムで翻訳し、字幕表示できる。