ニュース

LIXIL、浄水カートリッジを直販のみに。ニセ物が横行

LIXILは、すべての浄水カートリッジの販売を、4月1日からオンライン直販のみに移行する。大手通販サイトで模倣品の販売が横行していることへの対応。消費者庁からも、浄水カートリッジの模倣品の販売について注意喚起が行なわれている。

近年、大手を含む通販サイトやフリーマーケット・オークションサイトにおいて、正規品をかたる浄水カートリッジの非正規品・模倣品の販売が多数報告されているという。LIXILではこれまでも注意喚起や通販サイトページの削除要請、模倣されにくい製品仕様に変更するなどの対策を講じ、税関に対しても非正規品の輸入差し止めの申し立てを申請している。

しかしいずれでも完全に防ぐことは困難とし、ユーザーの安全を守り、正規品の流通を確実にするため、同社運営の直販サイトに販路を限定することになったとしている。

対象はLIXILが販売するすべての浄水カートリッジ。キッチンの浄水栓用やビルトイン型用、浴室シャワー用などがある。

大手でもニセ物が流通 「青い色の水が出た」報告も

消費者庁は、浄水カートリッジの模倣品が販売されているという報告を受け調査を実施し、「虚偽の広告・表示」を行なう模倣品の販売が確認されたとして、関連する情報を公開、注意喚起を行なっている。

それによれば、Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピング、楽天市場などの大手サイトのほか、フリーマーケットサイトなどでも、浄水カートリッジの模倣品が流通しているという。また、最近流通している模倣品の中には外観が極めて精巧で、日本の水道水の水質の良さも手伝って、模倣品であることに気づかない場合が多いとも考えられるとしている。

模倣品の販売は、マーケットプレイスなどの形で出店する事業者によって行なわれている。LIXILなどのロゴや正規品と同じ画像を使用し、あたかも正規品を販売しているかのように表示する。

模倣品の特徴は、販売ページの「ブランド名」表示が正規のブランド名でないなど、不自然な点があることや、販売価格が正規品よりも大幅に安い、パッケージの印字に誤字やおかしなフォントの使い方がされている、パッケージのロット番号が「刻印」ではなく「印刷」されている、海外から発送されてくる、「パッケージの箱から出された状態」(折りたたまれた箱も同梱)で届く、などがある。このほか芯材の材質がセラミックでないことや、水栓に入らないか入りにくいというケースもある。

Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピング、楽天市場などで販売されている様子。大幅に安い設定
模倣品の特徴の例

消費者庁によれば、浄水カートリッジの模倣品を使用したことによる具体的な健康被害は確認されていないとする一方、事例として「水の味に違和感を覚えた」「青い色の水が出てきた」などがあり、注意が必要としている。

消費者庁では、大手通販サイトであっても事業者選びに慎重になることや、販売価格が大幅に安いものは特に注意するよう説明。パッケージに誤記があったり配送方法に違和感を覚えた場合は(正規品の)メーカーに確認し、使用後に違和感を覚えた場合はすぐに使用を中止するよう呼びかけている。